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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1341225918/ 咲「ツモ。4000オールです」 久「ふぅ、須賀君のトビで終わりね」 優希「うがー、この馬鹿犬!お前のせいで優希ちゃんの華麗な逆転劇が始まる前に半荘終っちゃったじょ」 京太郎「うっせえ、俺だって好きでとんだ訳じゃないつーの!」 優希「犬の分際で口答えとはなまいきだじぇ」 咲「まあまあ優希ちゃん、抑えて、抑えて」 和「そうですよ優希、今回は須賀君の打ち方が悪かったという訳ではなく単純に宮永さんの調子が良かっただけです。現に部長と優希の点数も残りわずかだったでしょう」 優希「うぐぅ、それを言われると言い返せないじぇ……」 京太郎「和マジ天使」 優希「ぐぬぬ」 久「いやー、それにしても今日の咲にはまいったわー。この調子なら全国も余裕ね」 まこ「まさに鬼神のごとき鬼ヅモだったからのお。咲の後ろに世紀末覇者が見えたわ」 咲「もう二人ともからかうのはやめてくださいよ。今日はたまたまですよー」 京太郎「ちくしょー!久しぶりに卓に座れたっていうのにこんなのあんまりだー!!」 咲「ふふふ、でもわたしは久しぶりに京ちゃんと麻雀できて楽しかったよ!」 京太郎「咲…お前……」ホロリ 咲「だって、京ちゃんが卓に入ったらビリになることはないもん」 京太郎「そんなことだろうと思ったよ!ちくしょう!」 咲「あはは」 久「あら?もういい時間ね、みんなそろそろ帰るわよー」 まこ「暗くなる前に帰らんと」 優希「かわいいのどちゃんはお家に帰る時間だじぇ」 和「どういう意味ですか?」 久「あんまり帰りがおそい時間になると、和みたいなかわいい娘は変質者に襲われちゃうかもしれないから早く家に帰りなさい。てことよ」 和「ななななにを言っているんですか!そんなことあるわけないですよ!!」 久「いやー、そんなことないと思うわよ。あなたも暗い夜道の中、和が一人で歩いてたらついつい襲っちゃうでしょ?須賀君」 京太郎「話題の振り方も内容も最悪ですよ部長!!」 咲「……」 京太郎「咲さん、無言で足を踏むのをやめてください」 和「須賀君……」 京太郎「和、これは誤解だ!だからそんな悲しい目で俺を見ないでくれ!!」 まこ「ここだけ切り取ってみると、本妻に浮気がばれた駄目男みたいでおもしろいのー」ニヤリ 優希「わたしは会社の上司役を希望するじぇ!」 京太郎「お願い!悪乗りしないでこれ以上は収拾つかなくなるから」 ワイワイガヤガヤ 京太郎「部長!さっきの言いがかりを早く訂正してくださいよ!」 久「あはは、ごめんごめん。みんなが面白い反応してくれると思ったからついね」 京太郎「完全に部長は遠巻きに楽しんでましたけどね」 久「うん、意外に思うかもしれないけど私Sなの。だから自分に被害が及ばないところで人が酷い目に合ってるのを見るのが大好きなの!」ニコッ 京太郎「部長、あなたがドSなのは意外でも何でもない周知の事実ですし、なにより後半部分に関してはただの性格の悪い女性みたいになってますよ!」 久「私が性格が悪い女ですって?映画13日の金曜日でジェイソンに感情移入できるこの私が!?」 京太郎「部長!そのフォローは全く意味がないです!逆に先ほどの自分は手を汚さず高みの見物をしている知的な悪党っぽいイメージに猟奇的な殺人鬼までプラスされて、なんかもう知性と力を併せ持つ稀代の殺人鬼みたいなイメージになっちゃってます」 久「そういえば、須賀君て結構かっこいい顔してるわよね。うふふ、食 べ ち ゃ い た い ぐらい」二コリ 京太郎「なんで今のタイミングでそんなこと言うんですか!普通に怖いですから、いつもは素敵な笑顔が逆に怖いですからー!」 久「冗談よ、須賀君があまりにもいいリアクションするからついつい遊びすぎちゃうのよ」 京太郎「さいですか……」ゲッソリ 久「それはそうと、皆の誤解もそろそろ解かないとね」 京太郎「お願いします」 久「オーイ!皆、さっき言ったことは私の冗談だから須賀君のこと誤解しないであげてね!須賀君は夜道で一人歩いてる女の子をどうこうする男の子じゃないわよー」 咲「そ、そうだよね!京ちゃんに限ってそんなことするわけないよねー。わたしも部長の冗談に乗ってみただけだから、京ちゃんがそんなことしないって知ってたよー」 京太郎「おい、咲……俺の眼を見て話せ」 咲「ヒュー、フシュー」 京太郎「お前が口笛のつもりでやっているそれ全然音でてないから、ただ口から息をはいてるだけだからな」 和「須賀君ごめんなさい……、同じ部員である仲間を疑ってしまうなんて私最低です……」ホロリ 京太郎「和……、わかってくれたならいいよ!俺も気にしてないしさ」 和「でも……」 京太郎「いいって誰にだって間違うこと位あるし、今後こうゆうことがないように気をつけていけばいいだけの話じゃないか」 和「須賀君……、そうですね!ありがとうございます須賀君」ニコッ 京太郎「おう!(和ちゃんマジ大天使ミカエル)」 和(チョロイですね)ニヤリ まこ(あまいのー) 優希(チョロアマだじぇ) 京太郎「まあ、なんにせよ皆の誤解が解けてよかったよ」 久「そうね、誤解が解けてよかったわね須賀君」 京太郎「はい、ありがとうございました!(誤解の原因の8割くらいは部長にあると思うが、口に出したら怒られそうだから言わない)」 久「大体普通に考えたらわかるはずじゃない。須賀君が夜道で襲うなんてことするはずないのにねー」 京太郎「全くもってその通りですよ!俺がそんなことする男に見えるのかって話ですよ!」 久「そうよねー、須賀君が女の子を襲っちゃうのはロッカーの中だけだよねー」 京太郎「そうそう、俺が女の子を襲っちゃうのはロッカーのって……あれ?」 久「部室内の狭いロッカーの中で女の子と二人きりで出るに出られない状況になった須賀君は女の子の髪や首筋から香る、女の子のにおいに自分が抑えきれなくなってほとばしる若いパトス(情欲のみ)をそのまま、わた『それ以上いけない!!!』」 京太郎「なんてこと口走ってくれてんだ!!あんたわ!!」 久「あら、事実じゃない?」 京太郎「事実だけれども!!」 咲「京ちゃん……」 京太郎「ひっ」 優希「犬……、今部長が言っていたいやに真実味を帯びた生々しい話しはどうゆうことだじぇ」 京太郎「落ちけつ優希」 まこ「まずはお前が落ち着け」 和「いま、須賀君事実って……」 京太郎「違うんだ和!これは別の世界線の話で」 咲「京ちゃん」クルクル 京太郎「咲、待ってくれ!これは誤解なんだ!」 咲「京ちゃんはエッチだなあ」グルグル 京太郎「咲……、お前の右腕なんか回転してね?」 咲「エッチな京ちゃんはロッカーの中で何しちゃったんだろうね?」ギュルギュル 京太郎「いやいやいや、絶対回転してきてるって!心なしか音も激しくなってきてるし!!」 咲「わたしに教えてよー京ちゃん」ニコッ ギュオーンギュオーン 京太郎「(このままじゃヤバイっ)咲……よく聞いてくれ。部長が言ってたあれは嘘なんだ、作り話なんだ、だから俺が女の子と一緒にロッカーに入った事実なんてない。つまり、ロッカーの件はさっきのと同じく部長の冗談なんだ」 咲「ほんとう?」くるくる 京太郎「あぁ!そうだ!(回転が遅くなっていく)」 咲「ひどいですよー、部長冗談だったんですか?」 京太郎(今だけでいい、部長……空気を読んでください) 久「えっ?事実だけど(そういう物があるのは)」 京太郎「あんたって人はーーーーーーーーーーー!!!!!」 久「言ったでしょ須賀君……」 久「私Sなのよ!」ドヤッ 京太郎「くっ(殴りたいこのドヤ顔……)」 咲「京ちゃん……、なんで嘘ついたの?」ギュオーンギュオーン 京太郎「咲!」 咲「嫌っ!もう聞きたくない!!」ギャレオンギャレオン 京太郎(あっ!これもう助からないわ) 咲「京ちゃんの」バリバリバリ 京太郎「なんか帯電し始めてるぞ!お前の右腕!!」 咲「ばかぁーーーーーーー!!」ドゴォーーーーン 京太郎「8100オール!!!!!!」バタンキュー 優希「親倍だじぇ」 まこ「なぜか一本場ついとるのお」 和「どんな手だったんでしょうか?」 久「あらら、さすがにやりすぎちゃったかしらね」 まこ「からかうのも、ほどほどにしておかないと京太郎の身がもたんぞ」 久「わかっちゃいるんだけどねぇ……。咲の誤解も解かないとね」 説明中 咲「そうだったんですか……」 久「ごめんね、咲のリアクションが面白くてつい羽目を外しすぎちゃったわ」 咲「いえ、それで京ちゃんは大丈夫なんですか!?わたし京ちゃんに酷いことしちゃって」 久「それなら大丈夫よ。気を失ってはいるけど幸い怪我とかはしてないわ」 咲「よかった…。でも、京ちゃんに酷いことしたのは事実だし京ちゃん許してくれるかなあ……」 優希「京太郎ならきっと許してくれるじぇ!」 和「そうですよ宮永さん、須賀君は優しい人ですからきっと許してくれますよ」 まこ「それに責任の大半は部長にあるしのー」 久「うぐっ、反省してるわよ……」 久「それより、あなた達は早く帰りなさい。もう外も真っ暗になってるわよ」 まこ「あなた達はって、部長はどうするつもりなんじゃ?」 久「須賀君が目を覚ますまでここで待ってるわ。もともと私のせいでこんなことになったんだもの、これ位のことはさせてもらうわ」 咲「それならわたしも!」 久「だめよ」 咲「どうしてですか!?」 久「理由は二つあるわ。一つはこれ以上遅くなってしまうと心配してる親御さんに申し訳が立たないとうこと、もう一つはもし教員が見回りに来ても学生議会長である私は色々と言い訳できるけど、咲はそういう訳にもいかないからよ」 久「だから今日は諦めて明日謝りなさい」 和「宮永さん、須賀君が心配なのはわかりますが幸い怪我もないわけですしすぐに目を覚ましますよ。ここは部長の言うとおりにして、明日謝るのが一番いいと思いますよ」 咲「……そうだね原村さん。わかりました、明日謝ることにします。でも部長、京ちゃんが目を覚ましたらわたしにメールください。やっぱり心配なんで……、お願いします!」 久「ええ、お安いご用よ」 優希「それじゃあ、のどちゃんが襲われないように帰るとするかだじぇ」 咲「それでは部長、京ちゃんのことよろしくお願いします。失礼します」 和「失礼します」 まこ「またのー部長」 バタン 久「ふぅ……」 久「ついついやりすぎちゃう。悪い癖ね……」 久「ごめんなさいね、須賀君」 久「うーん、それにしても須賀君が起きるまで何してようかしら」 久「読書でもしようかしら」 久「!」 コソコソ 久(こんな機会じゃないと須賀君の顔をじっと見る機会なんてないし) 久(須賀君が起きるまできれいなお顔を観察してましょうかね)ニヤリ 久(それでは失礼して) 久(ふぅ、やっぱり須賀君ってイケメンよね。ちょっとチャライけど顔立ちはきれいだし) 久(睫毛長いし) 久(肌もきれいだし、お手入れとかしているのかしら?) 久(……実に妬ましいわね) 久(ふふふ、唇の皮がめくれちゃってるわよ) 久(本当、黙ってればかっこいいのに) 久(その気になってちょっと頑張れば、彼女なんてすぐに出来ると思うわ。がんばれ!須賀君)クスクス 久(彼女ねぇ) 久(……) 久(須賀君の彼女ねぇ……、誰がお似合いかしら) 久(やっぱり幼馴染の咲が一番お似合いかしら?) 久(あんまり派手なデートとかはしないでお互いの家を行き来するような家族ぐるみの付き合いが似合いそうね) 久(だけどしっかり咲の尻に敷かれてる。そんな感じがするわ)クスクス 久(和はどうかしら?) 久(……………………) 久(全く思い浮かばないわ) 久(須賀君には悪いけど和と付き合うことになってもあんまり上手くいきそうにないわね) 久(優希は言わずもがなね。きっと毎日が楽しく過ごせると思うわ!(主に優希が)) 久(須賀君がなけなしのお小遣いをはたいて栄養ドリンクを買う姿が目に浮かぶわ……) 久(まこはどうかしら?) 久(うん) 久(いいと思うわよ!以上) 久(結論としては、やっぱり幼馴染の咲が一番相性よさそうね。次点で優希かしら?) 久(…………) 久(ふぅ……) 久(私が頭の悪い女の子だったらよかったのに) 久(どうして気づいちゃうかなあ……) 久(こうやって、自分を除いて考えようとしてたのが何よりの証拠よね……) 久(意識してるのバレバレじゃない) 久(はぁ) 久(恨むわよ須賀君) 久「イケメンになびくような女じゃないつもりだったのになー」 久「咲や優希も絶対須賀君に好意を持ってるわよね……」 わざわざ声に出して言うことじゃない。そんなことはわかっていた 久「だいたいなんでよりによって須賀君なのよ!顔がいい男なんて他にもいくらでもいるじゃない!」 顔だけじゃない。そんなことはわかっていた 久「須賀君なんてただのチャラ男よ。なんでそんな男好きになったの!?」 須賀君がもし起きてたら聞かれてしまう。そんなことわかっていた 久「だいたい私は本当に須賀君のこと好きなの?勘違いっていう場合もあるはずでしょ」 虚勢を張って自我を保とうと必死になっている。そんなことわかっていた 久「嫌いよ……、須賀君なんて」 口に出してしまった言葉が怖かった。本当に須賀君のことが嫌いになってしまいそうで怖かった。 久「今のは嘘よ」 だから 久「私は」 私は 久「須賀君のことが好き」 須賀君のことが好きだ。そう自覚できた。そんなことはとっくにわかっていたけど 久(結局認めたくなかっただけなのよね) 久(普段大人ぶってるけど、私もまだまだ子供ね) 久(好意を自覚してるであろう咲たちの方がよっぽど大人だわ) 久(はぁ、自己嫌悪だわ) 久(須賀君まだ寝てるかしら) 久(今の聞かれたなら聞かれたで別にいいけど(どうせ面と向かって告白なんてできないし)) 久(なんだ、まだ寝てるのね) 久(乙女の情けない告白を聞かれなくてよかったと思うべきか、タイミングを逃して残念と思うべきか) 久(……よかったと思っときましょう。そうでなきゃやってられないわ) 久(そういえば須賀君、ただ寝てるだけみたいだし起こしても大丈夫みたいね) 久(………………) 久(こんな時間まで付きっきりで看病してあげたんだから、報酬はあってしかるべきよね) 久(そうよ!いくら私のせいでこんな状況になってしまったことを差し引いても報酬はあってしかるべきのはずよ!間違いないわ!!) 久(………………) 久(それじゃあ、報酬として何を頂こうかしら) 久(お金とかはさすがにゲスイからなしとして) 久(うーんどうせなら、この状況でしかできないことがいいわね) 久(閃いたわ!この状況のお約束として、寝ている異性にチューしようとし、いざチューしようとしたら抜群のタイミングで寝ていた人が目を覚ますっていうあれをやってみましょう!) 久(須賀君が目を開けてくれたら成功で須賀君が目を瞑ったままなら罰ゲーム!いいわね面白そう) 久「それでは」コホン 久「須賀君起きてー」ゆさゆさ 久(起きるなよー) 久「もう!早く起きてよ」ゆさゆさ 久(起きるな!絶対起きるな!) 久「むぅ、起きないとチューしちゃうぞー」 久(相変わらずかっこいいわね、この男は) 久「須賀君、まだ寝てるの?」ゆさゆさ 久(ごめん咲、優希、私……もぅ) 久「……本当にチューしちゃうわよ?」ゆさゆさ 久(須賀君は私のものよ)キリッ 久「……須賀君が悪いんだからね」ハァハァ 久(近くだと須賀君の匂いがするな……いい匂い)クンカクンカ 久「それじゃあ、失礼して」ハァハァ 久(首筋にキスマーク付けちゃおうかしら)スーハー 京太郎「……部長何やってるんです?」 久「……」 久(オワタ) 京太郎「あのぉ、なんで俺の身体の上に部長が馬乗りになってるんですか?状況が全然分かんないんd「chu」…………えっ?」 久「こういうことよ」 京太郎「」 久「私は須賀君のことが好き。だからキスしたくて寝込みを襲ったのよ」 京太郎「いや、え?部長が俺のことが好き?それに後半は、そんなあけっぴろげに言う内容じゃないでしょ!?」 久「むらむらしてやった反省はしている」 京太郎「あれ、なんでだろう反省しているはずなのに印象は最悪になった」 久「そうよ。こんな女でドン引きしたでしょう。ごめんなさい」 京太郎「はい。ドン引きしました」 久「ドン引きしたんだ……」 京太郎「あっ!でもほら、いい意味でのドン引きですから!!」 久「須賀君て、おそろしくフォロー下手ね」 京太郎「はい、すいません……」 久「謝らなくていいのよ須賀君。私はそんなあなたを好きになったんだから」 京太郎「部長……」 久「ふふふ」 京太郎「いい感じの雰囲気を作って、俺の寝込みを襲った話を逸らそうとしていませんか」 久「そそそそんなことないわよよよぉ」 京太郎「物凄く動揺した!?」 久「ふぅ、冗談はこれくらいにして改めて謝罪するわ須賀君ごめんなさい」 京太郎「正直に話してくれましたし許しますけど……」 久「許してくれるの?やっぱり優しいのね、須賀君」 京太郎「まあ、さっきされたキスだって嫌な気はしませんでしたし」 久「あら?これって、私脈ありと思っていいのかしら」 京太郎「部長は綺麗ですし、キスされたら俺を含めて大抵の男は喜ぶと思います」 久「ありがとう。須賀君、私とってもうれしいわ!」ニコッ 京太郎「かわいいいいいいいいいいいい」 久「そうだ!須賀君、告白の返事のことなんだけど」 京太郎「はい」 久「明日の放課後まで待ってもらえないかしら」 京太郎「それは別にいいですけど……なんでですか?」 久「抜け駆けはいけないでしょ」 京太郎「はぁ?そうですね」 久「という訳で、今日はもう帰りましょうか」 京太郎「そうだ!今何時って……、もうこんな時間!?あれ?そういえば俺なんで寝てたんだっけ……」 久(咲にメールしとかないと)ピロリン 久「須賀君もう部室閉めるわよ」 京太郎「あっ、はい(まあいいか、いいことあったし結果オーライだ)それじゃあ、部長帰りましょうか」 久「こんな時間まで待っていてあげたんだから、私の家までエスコートしてくれるんでしょ須賀君?」 京太郎「そりゃあこんな真っ暗の中、女性を一人で帰らせるなんてことできませんよ。お供します」 久「京ちゃんマジ紳士」 京太郎「茶化すなら、帰りますよ」 久「ごめんごめん須賀君といるとついつい、いじりたくなっちゃうのよ」 京太郎「どうせ俺はいじられ気質ですよ……」 久「違うわよ、そんな理由じゃないわ」 京太郎「ではなんでですか?」 久「好きな子を見るといじめたくなっちゃう。そういうことよ」 翌日の放課後 京太郎「昨日、あんなことがあったから部長と顔を合わせづらい」 京太郎「あっけらかんとした部長のことだ、きっとすでにみんなに公表しているよな……」 京太郎「はぁ、今から盛大にいじられるとなると気が重いな」 京太郎「今日は部活休もうかな……」 京太郎「いやいやいや、それはいかん!こういうことはちゃんとしなきゃ駄目だ」 京太郎「覚悟を決めろ!須賀京太郎、進む道は修羅道なれどここで背を見せれば男が廃る!」 京太郎「いざゆかん」 バタン 京太郎「たのもー!」 優希「遅いじょー犬ー」 和「もうとっくに部活始まってますよ」 まこ「堂々と遅刻するとはいい御身分じゃのー京太郎」 咲「京ちゃん!」 京太郎「すいません、掃除当番で遅れちゃいました」 まこ「なんじゃ、そういう事情があるなら仕方ないの」 優希「犬のことだから、遅刻の言い訳のための嘘かも知れないじょ」 京太郎「そんな嘘つかないっつーの!クラスの中でせっせと机運んでたわ」 咲「そういえば京ちゃん掃除当番だったね、ごめんね、忘れちゃってたよ」 京太郎「いや、こればっかりはしょうがねぇよ。普通他人の掃除当番の日程なんて覚えてるわけないもんな。咲に伝え忘れた俺の落ち度だ」 和「今度から気をつければ問題ないですよ。そうですよね部長!」 久「そうねぇ、事前に連絡がない状況で掃除が長引いてしまったら無断欠席と捉えられてもおかしくないのよ。そういう事態を防ぐために連絡はしっかりしましょうね須賀君」 京太郎「はい!以後気をつけます」 久「うん、いい返事」 咲(自称京ちゃん検定、段位持ちのわたしにとって掃除当番なんて知ってて当然のことなのに……もっと精進しなきゃ) 久「それじゃあ、さっきの続きから再開しましょう。咲、和、まこは卓に戻って」 久「須賀君と優希はひとまず見学、もしくはネット麻雀をやっててもいいけど、どうする?」 京太郎「俺は皆のを見学してます。人が打ってるのを見るのも勉強になりますし」 優希「じゃあ、優希ちゃんは犬をじーっくりみてるじぇ!」 京太郎「……それなんの意味もないだろ」 優希「犬の一挙手一投足を事細かに実況し解説を交えて紹介していく番組だじぇ」 京太郎「そんな番組があってたまるか!!そういうのいいからお前も一緒に見学するぞ」 優希「しょうがないじぇ、飼い犬がキャンキャンうるさいから飼い主様が一緒にいてやるじぇ。感謝するんだじぇーいぬー」 京太郎「はいはい、ありがとうございます」 優希「そうだじぇ!見学する前にタコスを買いに行くじょ!付き合え犬」 京太郎「へいへい、わかりましたー。お供しますよー」 優希「というわけで、行ってくるじょ部長」 久「わかったわ、行ってらっしゃい」 京太郎「はい、行ってきまーす(感じからすると、どうやら部長は昨日のことを皆に言ってないみたいだな……)」 バタン 和「須賀君、優希の扱い方上手になりましたねー」 まこ「優希の言うことに従っても、たずなはしっかり握ってコントロールしているそんな感じかの」 久「あら、そうかしら。もしかしたら、犬根性が身に着いてしまって優希をご主人さまと認識してるのかもしれないわよ」ニヤニヤ 咲「そんなことないですよ部長!京ちゃんは意外と要領いいから、日々の経験の中で優希ちゃんの気持ちを酌みつつ自分の要求も通す。そいうことができるようになっただけですよ」 久「あはは、冗談よ。咲の言う通りだってことは、あの二人を見てたらわかるから心配しないで」 まこ「部長の言うことは無駄に説得力があるから怖い」 和「そうですね……少し考えればそんなことはありえないということがわかるんですけど、それをさせない力がありますね」 まこ「詐欺師のそれと同じじゃな」 和「そうですね」 久「ちょっと二人とも失礼なことを言わないでちょうだい。詐欺師みたいって……、もっと別の言い方があるでしょう」 まこ「部長は嘘つくのが上手い」 久「……なんか余計酷くなった気がする」 和「気のせいではないです。シンプルになったせいで余計酷くなりました部長」 久「はぁ、もうそれでいいわ。いちいち突っ込むのもめんどくさいし」 まこ「えぇー、もっとノってきてくれてもええじゃろー部長」 和「いけずですー部長」 久「あんた達キャラのブレが酷いわよ。特に和」 まこ「京太郎だったらもっとノってきてくれるのにのー」 久「わたしに須賀君ばりの返しを求められても困るわよ」 和「それはそうと、最近の須賀君は優希を甘やかしすぎだと思いませんか?」 まこ「確かにのぉ。もしかして犬根性としてじゃなく、龍門渕の執事みたいに半ば忠義として優希に仕えてるのかもしれないのー」ニヤニヤ 咲「そんなことありえないですって!」ムゥ 久「須賀君が義理立てしようと思うような高尚な行為を優希がするわけないでしょ……」 咲「ですよねー!部長、京ちゃんに限ってそんなことありえませんよね」 久「」ニヤリ 久「そうね、須賀君が優希をご主人様として思っているのかもしれない、そんなことはあり得ないわよ」 久「でもね咲、もしかしたら優希と須賀君が特別な関係になるかもしれない、そういう可能性があることも事実なのよ」 咲「どういうことですか!?」 久「えっとね、優希が須賀君にちょっかいをかけては我儘を言って言うことを聞かせているのは知ってるわよね?」 咲「二人が毎日の様にやってるやり取りですから、もちろん知っていますけど……」 久「実はそれが問題の焦点でね。男女共通の異性に惚れる条件の一つとして、「こいつには自分が付いてないとだめだ」と思うというものがあるのを、咲は知っているかしら?」 咲「はい、雑誌とかにもよく載っている内容のものですし、もちろん知っていますけど、それが関係あるんですか?」 久「そうよ。先に結論を言ってしまうとね、二人がこのような関係を今後も続けていくようなら、須賀君が優希に惚れてしまう可能性があるのよ」 咲「ばかばかばかしいです。SOA!SOA!」 和「……」 まこ「動揺して口からでてしまった言葉じゃ、気にせんでいいじゃろ」 久「咲、落ち着いて今の優希と須賀君の状況をもう一度よく考えてみなさい。日頃から男の子に対してお願いばっかりしているの女の子と、愛想を尽かせず女の子のお願いをきいてあげてる男の子。こういう言い方にしたらわかるんじゃないかしら?」 咲「……!!」 久「気づいたようね」ニヤニヤ 咲「でもでも、京ちゃんに限ってそんなこと……」 久「あの人だけは大丈夫だなんてーうっかり信じたらだめ!」 まこ「だめ!」 和「だめ!」 久・まこ・和「だーめだめよ!」 咲「S O S」 まこ・和「パンパン!」ヒューヒュー 久「みんなノリいいなって……、いったい歳いくつなのよあんた達」 まこ「わしは、カメレオン・アーミーが一番好きだったのお」 和「ジパング以外ありえません!」 咲「ペッパー警部が可愛くて好きです」 久「だからなんで知ってるのよあんた達は!今時のJKがピンクレディの曲で盛り上がるってるこの状況おかしいと思わないの!?」 まこ「別に、知ってたって問題ないじゃろ。誰かに迷惑かけてる訳でもあるまいし、それでそういう部長は何が好きなんじゃ?」 久「……世界英雄史よ」 まこ・和・咲「「「渋ッ!!!」」」 久「ふぅ、落ちもついたし話を戻すわよー」 まこ「まてまてまてー。世界英雄史のインパクトが強すぎてそんな簡単に頭切り替わらんわ」 和「冗談ですよね部長!?仮に本当なら多分、部長しかいませんよ!世界英雄史好きの女子高生なんて」 咲「いい曲なんですけどね……でも、それこそ今時の女子高生の会話には絶対出てこないですよ」 久「もういつまでその話題続けるのよ。それはもう終わった話題だからいいでしょ!咲ー、話を戻すわよ」 咲「は、はい!わかりました」 まこ「うぐぅ、なんじゃこの得も言われぬ感情わーー!!」 和「なんか……、すごくモヤモヤします」 まこ「マネマンされた時のどうしようもないあの感じに似てるわ」 和「やるせないです……」 久「二人ともうるさいわよ!!」 まこ・和「ぐぬぬ」 久「咲もさっき気付いたと思うけど、多分その解釈であってるわ。だけど念のために一応解説しておくと」 久「私は、須賀君が日頃から優希ちゃんの言うことをきき続けてる間に、こいつは俺がいないと駄目だ。と思う様になってしまう可能性があると言っているのよ」 まこ・和「あるある」 咲「いやねぇよ」 久「そんなきっぱりと言い切れるかしら?」 咲「お言葉ですが、あえて先ほど部長がおっしゃっていた意見を真っ向から否定させて頂きます。全地球上の男性の99%が当てはまろうと京ちゃんだけは絶対に当てはまることはありえません」 久「へー、その心は?」 咲「だって京ちゃん鈍感ですし」 まこ・和「そうだった!」 咲「おそらく自分の恋心すら自覚できないと思います」 久「学生議会長の私を論破するなんてやるじゃない(咲や優希からあれだけあからさまな好意を向けられてるのに、全く動じてないてことが何よりの証拠よねー)」 咲「京ちゃんの鈍感さは折り紙つきです。とある少女はその鈍感さの被害にあってしまい東京に引っ越してしまったなんて事実があるくらいですから……」 まこ「京太郎本人に悪気がないと分かっているんじゃがこれはあまりに酷いの……。実害が出ている以上対策の一つでも立てて京太郎に気をつけるよう言ってやらんと」 久「余計なことはしなくていいわ」 咲「そうです!京ちゃんには日頃からわたしが言って聞かせてるので安心してください」 和「須賀君に日頃から言って聞かせてる割には全然治っていませんよね」 咲「うっ、それは……」 まこ「咲、今度はわしが先輩としてガツンと言って京太郎の鈍感をなおしてみせるから安心せぇ」 久「それは駄目よ、まこ」 まこ「なんでじゃ部長?さすがに京太郎も先輩から注意したら自分の鈍感さを見直すじゃろ?」 久「説明が必要みたいだから言っておくけど、鈍感さの改善には他人からの働きかけはあまり効果を持たないの」 久「人がせっかく注意をしても須賀君自身身に覚えがないのだから、その注意はのれんに腕押し状態になってしまう可能性が高いの。だから鈍感さを改善するためには須賀君自身がで色んなことを経験して、自分自身で問題に気づき解決していくのが一番良い方法なのよ」 和「へー、そうなんですか。さすが部長物知りですね」 まこ「そうなんかー、鈍感っていう曖昧な基準にも、きちんとした対処法があるんじゃの。勉強になったわ部長」 久「……まぁね」 咲(GJです部長) ガラガラガラ 優希「今戻ったじょー」 京太郎「ただいま戻りました」 久「おかえりなさい。二人とも」 優希「なんだ、みんなまだ打ってなかったのかだじぇ?」 京太郎「あれ、ほんとだ。もしかして俺と優希のこと待っててくれてたんですか?だとしたら申し訳ありません。結構な時間お待たせしてしまって」 久「イケメンで」 まこ「気遣いできて」 和「腰が低い」 咲「今宵そなたが鳴かすわ誰ぞ」 京太郎「短歌!?どうしたんですかいきなり!!」 久「いいの須賀君あなたは今のままでいてくれたら……」 咲「京ちゃん気にしないで……わたし頑張るから!!」 京太郎「いやいやいや、なんなのこの空気。俺と優希が完璧置いてけぼりなんだけど」 まこ「京太郎、わしからお前に言ってやれることは何一つのない……。しかしな、わしらはみんなお前の味方じゃ!これだけは覚えといてくれ……、頼りない先輩でスマン京太郎」 京太郎「えっ、なんですかこれ!?俺これから戦争にでも行くんです?なんでみんな俺のことをそんな悲しそうな目で俺のこと見てるんですか!?」 和「須賀君気をつけてくださいね(自分の鈍感さに)……。そのせいで不幸になった人がたくさんいるんですから……」 京太郎「マジで!?俺マジで戦争行く感じなの!?」 和「茶化さないで真面目に聴いてください!」 京太郎「えっ、あ、はい」 咲「原村さん落ちついて…」 和「でも、被害にあった人たちのことを考えるとわたし……」グス 京太郎(マジかよ……。やばいこれ……本当に戦争が起こるみたいだ……) 和「須賀君詳しいことは言えませんが、どうか気をつけてください」グス 京太郎「……わかった」コクリ 久「それじゃあ、みんな揃ったし東一局始めるわよー」 まこ「最初の親だけはさっき決めていたから咲が親で始めじゃ」 京太郎「……て!ちょっと待てーい!!おかしいでしょー!そんなのんきに麻雀打ってる場合じゃないでしょ!?今日のところは早く家に帰った方がいいでっすって!」 久「須賀君どうしたのよいきなり大声出してビックリするじゃない」 京太郎「これから戦争が始まるっていうのに、悠長に麻雀やろうとしたら、そら大声も出しますよ!」 まこ「戦争って……、えらい物騒じゃのぉ……」 久「須賀君、冗談にしては面白くないわね」 京太郎「こんな性質の悪い冗談言う訳ないでしょう!!さっきの俺と和の会話聞いてなかったんですか?」 まこ「そりゃあ、バッチリ聞いていたけどのお」 久「それが戦争とどう絡んでくるのかしら、須賀君?」 ワーワーギャーギャー 優希「ねぇねぇ、咲ちゃんさっき馬鹿犬とのどちゃんが話していた内容ってなんだっけ?」 咲「京ちゃんの鈍感さが原因で被害を被る女の子がたくさんいるって話だけど、部長が鈍感な人に自身が鈍感だと伝えるのはよくないって教わったから、京ちゃんにそのことが伝わらないようにし話してたんじゃないかな?」 優希「ふ~ん、なるほどなーだじぇ!」ピコーン 優希「わたしも京太郎と一緒にしばらく部室出てたから、京太郎ほどじゃないにしても、皆が何を言っているのか意味不明だったじぇー」 優希「それにしてもこいつは傑作でじぇ」ゲラゲラゲラ 咲「何か分かったのなら、これ以上変な空気になる前に教えてよ優希ちゃん」 優希「そうするじぇー!みんな話を聞いてほしいじょー!!馬鹿犬は一回廊下で待っててくれだじょ」 京太郎「なんでだよ?」 優希「ちょっと乙女が聞かれたら恥ずかしい話になるじぇ」 京太郎「……なんか腑に落ちないけど分かったよ。しばらく外にいる、話が終わったら呼んでくれ」 ガチャリ 優希「むぅ、最近の犬はやけに聞き分けがいいじょ」 和「クスッ、張り合いがなくてつまらないですか優希?」 優希「そ、そんなことないじょ!あいつもやっと犬としての自覚が出てきて飼い主としては嬉しい限りだじぇ!」 久「面白そうな話だけど、今のところはその話は置いておいて本題に入りましょう。優希どういうことかしら?」 優希「了解だじぇ!」 優希「カクカクシカジカ」 久「須賀君ー!戻ってきてもいいわよー」 ガチャリ 京太郎「失礼しまーす」 和「ごめんなさい須賀君…、私の言い方が悪かったみたいで誤解させちゃいました……」 京太郎「誤解?」 和「はい、安心してください須賀君は戦争に行ったりなんてしませんから」 京太郎「へっ?じゃあ、さっきの話はなんだったんだ?」 和「言えません」 京太郎「なんで!?」 咲「それについては、原村さんの口から答えを聞いても意味ないの。京ちゃん自身が考えて気付かないと意味がないんだよ」 京太郎「和の口から聞いたら意味がない……。俺自身が気付かないと意味がない……」 まこ「少しヒントをやると、京太郎はもう少し自信を持っていいと思うぞ」 京太郎「……自信ですか?」 和「そうですよ、そしていつか気付いてくださいね」 京太郎「…………」 京太郎「!」 京太郎(まさか) 京太郎(でも、そんなことありえるのか?) 京太郎(いや、しかし……他に考えられん) 京太郎(まさか、和が俺のことを好きだったなんて) 京太郎(和の口から聞いても意味はない、俺自身が気付かないとだめ……、これはおそらく、乙女な和のことだから自分から告白するより相手からロマンチックに告白されることを望んでいるはず……、だから俺が和の気持ちを酌んだ上で告白を行えということに間違いないだろう……) 京太郎(ただしこれだけでは単なるこじつけであることも事実だ。そこで生きてくるのが、染谷先輩のヒントだ) 京太郎(俺にもう少し自信を持てとのこと。これは、アニメ・漫画などで用いられる鈍感なキャラへ必死にアピールしているキャラへの粋な手助けとして、主に一線引いた位置にいる双方の友人キャラが使うことが多い、いわばテンプレの台詞である) 京太郎(それをこの場で用いたということは、つまりそういうことででしょう染谷先輩。ただ染谷先輩が誤算だったのは、俺自身が鈍感キャラでは無く、鋭い切れ者だったことだ……。おかげでこんな大変な事実を知ってしまいましたよ)フッ 京太郎(そして極めつけは愁いを帯びた表情で俯く和とその台詞、いじらしい乙女心に違いない!)ムフフ 京太郎(ここまで材料があったら確定してもいいだろう) 京太郎(だとしたら、内心不安がっているであろう和に俺は何をしてあげられるのだろうか?) 京太郎(皆がいる手前、露骨に態度に出すのはまずい) 京太郎(それに部長とのこともあるしな) 京太郎(だからここはアイコンタクトで分かっているから心配しなくていいと言うことだけを伝えよう) 京太郎「和!」ニコッ 和「なんですか!にやけ面でこちらを見ないでください、不快です。死にます」 京太郎「えー……」 部活開始 久「もうすぐ期末ねぇ」ぱち 咲「そうですねー」ぱち まこ「もうそんな時期かー。はやいもんじゃな」 和「そうですね、でも、だからと言っていつもとやることが変わると言ったわけではないんですが、気持ちの持ち様はやはりいつもと変わってきますよね」ぱち 久「まー今回もなんとかなるでしょうね、私のことだし」ぱち 咲「部長は毎回テストの結果上位じゃないですかー」ぱち まこ「そういう咲だって現国で満点を取るような猛者じゃからのー」ぱち 和「染谷先輩だって暗記系科目は満点ですよね」ぱち 久「和は和で数学満点でしょうに、本当、うちの部は学業優秀で素晴らしいわね」ぱち 和「それポンです」ぱち 優希「……犬」 京太郎「なにも言うな……」 久「お腹が空いたわ……」ぱち 咲「そうですね」ぱち まこ「帰り何か食べて帰るかの」ぱち 優希「タコス安定だじぇ!」 和「優希たまには違う物を食べたらどうですか。あんまり同じものばっかり食べてたら体壊しちゃいますよ」ぱち 久「とりあえず優希の意見はスルーして、なんか意見はないかしら?」ぱち 優希「ちょ!?」 咲「駅前に新しくできたケーキバイキングのお店はどうですか?」ぱち まこ「おー、よさそうじゃのー。わしは賛成じゃ」ぱち 和「私も特に問題ありません」ぱち 久「須賀君も、もちろん来るのよ」 京太郎「男子学生がケーキバイキング……、敷居高いな……」 久「確かそこのバイキングに物凄く可愛いバイトの子がいるみたいな話しが」京太郎「お供します」 久「じゃあ、そこで決定でいいかしら?」ぱち 咲「はい」ぱち まこ「はいよー」ぱち 和「分かりました」ぱち 優希「了解だじぇ」 久「そういえば昨日皆が帰った後に、私須賀君に告白しちゃったんだよねー」パチ 咲「へー、そうなんですかー」ぱち まこ「部長も大胆じゃなー」ぱち 和「あ、それチーです。部長を落とすなんて須賀君もやりますねー」ぱち 久「自分が面食いだなんて自覚はなかったのにねえ」ぱち 咲「ははは、でも京ちゃんは性格もいいですから」ぱち まこ「まあ、優良物件じゃろうな」ぱち 和「天然タラシですけどね」ぱち 久「……」ぱち 咲「……」ぱち まこ「……」ぱち 和「……」ぱち 京太郎「あ、俺トイレ行ってきますね」 優希「……」ガシッ 京太郎「離せ!タコス!!後で何でも言うこと聞いてやる!だかr」咲「京ちゃん、どういうことなの?」 京太郎「ひっ」 咲「私の耳がおかしかったのかなー。さっき部長が京ちゃんに告白したって言ってたような気がするんだけど、そんなことありえないよねー、京ちゃん?」メキッ 京太郎「咲さんどうか落ち着いてください。肩が痛いです。離してください!お願いします!!」 咲「ごめんねー京ちゃん、事情を話してくれるまで手は離せないかな」 まこ「……部長さっきのはお得意の冗談じゃないんか?」 和「説明せずにあのままほっとくと、また須賀君が気絶してしまいますよ……」 久「その件の説明はちゃんとするわよ。それにしてもあなた達いやに冷静ね」 まこ「あの状態の咲を見ていたら冷静にもなるじゃろ」 和「誰かが、物凄く動揺しているのを間近で見ると逆に冷静になりますよねー」 久「咲ー、私がさっきのこと説明してあげるから須賀君を離してあげてー」 咲「部長……」 京太郎「」 優希「……虫の息だじぇ」 咲「京ちゃんに告白したのって本当なんですか……部長?」 久「えぇ。本当よ」 まこ「冗談じゃない……だと……」 和「師匠乙」 優希「なんでだじぇ……、今までそんなそぶり全然なかったのに……」 久「そうね、そうだと思うわ。だって、私が須賀君が好きって気持ちを自覚したのは昨日のことだもの。気づかなくて当然よ」 まこ「昨日自覚した想いをすぐさま京太郎に伝えたって訳か」 和「漢らしいです」 久「そんな格好良いものじゃ無かったけどね……」 咲「……部長は京ちゃんのことが本当に好きなんですか?」 久「当たり前でしょ、好きでもない男に告白するほど私も落ちぶれちゃいないわよ」 咲「なんで」 咲「なんで今さら」 久「咲……」 咲「わたしは!ずっと、ずーーっと京ちゃんが好きだった!!なのに!!」 和「宮永さん落ち着いてください!!」 咲「……部長は知っていますか?京ちゃんの好きな食べ物を」 久「知らないわ」 咲「京ちゃんの得意な教科は」 久「知らないわ」 咲「京ちゃんの好きな有名人は」 久「知らないわ」 咲「部長は京ちゃんのこと何にも知らないんですね」 久「そうかもしれないわね」 咲「そうですよ。部長は京ちゃんのこと何にも知らないんです」 まこ「お、おい咲」 久「いいのよ、まこ」 咲「わたしは京ちゃんのこと、たくさん知っています」にこっ 久「そう…」 咲「はい!だから京ちゃんのことを全然知らない部長は勘違いしているんですよ」 久「……どういうことかしら?」 咲「部長は京ちゃんのこと本当は好きじゃないって言っているんですよ」 久「……どうしてそう思うのかしら。理由を聞かせてくれる咲?」 咲「昨日わたし達が帰った後、部長は京ちゃんに告白したんですよね?」 久「えぇ、その通りよ」 咲「昨日、わたしは部長に京ちゃんが目を覚ましたらメールを下さいとお願いしました」 咲「部長から京ちゃんが目を覚ましたというメールが届いたのはわたし達が、部室を離れてから1時間半後でした」 咲「多少前後するかもしませんが、京ちゃんが起きるまでの時間、部長は気絶している京ちゃんと二人きりでした」 咲「寝ている京ちゃんと二人きりというシュチュエーション、好奇心の強い部長のことです、いい機会ですし京ちゃんの顔をじっくり見てやろうと思っても不思議じゃありません」 咲「知っての通り京ちゃんは黙っていればそこらのアイドルに引けを取らないくらいイケメンです。そんな京ちゃんの顔をじっくり見ていればドキドキもするでしょう」 咲「わたしがそのシュチュエーションに遭遇したら、おそらく自制が利かず京ちゃんを襲ってしまうかもしれません」 和「お、襲うって……」 まこ「……恥ずかしいやっちゃのー」 咲「あははは、冗談ですよ京ちゃんのことは大好きですけど、そんな痴女みたいな真似はできませんよ」 久「」 久「そ、それで咲は何を言いたいのかしら、はっきり言ってちょうだい」 咲「部長は京ちゃんと二人っきりというシュチュエーションが作用した結果、その場で恋愛感情に似た感情、具体的にいえばアイドルグループに盲目的に入れ込んでいる人達と同様な感情を持ってしまったため勘違いしてしまったんですよ!」 久「乱暴だけど理論としての筋はちゃんと通っているわね」 咲「早く勘違いに気付いてよかったですね、部長!!ですから京ちゃんへの告白を取り下げましょうよ。今なら京ちゃんも許してくれますから」にこにこ 優希「……」 久「須賀君なら許してれるかもしれないわね」 咲「はい!京ちゃんは優しいですから笑って許してくれますよ!なんなら、わたしも一緒に謝りますから」にこにこ 久「そうね須賀君はきっと許してくれるわ」 咲「なら」 久「でも、私が許せない」 咲「え」 久「須賀君のことが好きだって言うこの気持ちが嘘だなんて、私は思わない!思う訳がない!!」 咲「……」 久「咲、あなたはさっき私にこう言ったわよね?須賀君のこと何にも知らないって」 咲「……事実です」 久「そうね、事実だわ」 久「でも私は今の所はそれでも良いと思っているの」 咲「……どういうことですか」 久「さっき咲が須賀君のことなら、たくさん知っていると言っていたわよね、正直、この話をしている時の咲はすっごく憎たらしかったわ……」 咲「……」 久「でもそれ以上に咲が羨ましかったの」 久「知ってる咲?あなたが須賀君のことをたくさん知っていると言ってた時の表情、すごくいい笑顔だったのよ」 久「今まで怖いぐらい無表情で話していて、内心色んな負の感情でいっぱいだったはず、そんなあなたが一瞬だけいつもの可愛らしい宮永咲に戻ったのよ。これって凄いことだと思わない?」 久「大好きな須賀君のことを考えるだけで、今までの嫌な感情をすべて吹っ飛ばして笑顔にしてくれる。咲にとって須賀君はそういう人なんだって」 久「それを見て私は咲が羨ましくなった。それと同時に須賀君をもっと好きになろうと思ったの」 咲「……」 久「今の私は須賀君のことを何も知らない、だけど須賀君と一緒にいて、須賀君を知ることはきっと良いものだって、咲あなたを見て確信できた」 久「これから時を重ねて、あの時の咲の様に笑えたら……、それはきっと素敵なことだと思うの」 咲「部長……」 久「咲が言った通り、私は本当は須賀君のこと好きじゃないのかもしれない。これは単なる憧れで私がただの面食い女だって可能性もあるわ」 久「だけど、自分の気持ちすら分からないハッキリしない私だからこそ、人を好きになるっていう気持ちを人任にしたくないの」 久「私はこれから全力で須賀君のことを好きになる努力をするつもりよ」 久「私が須賀君を本当に好きじゃなかったら須賀君を好きになる、私が須賀君を好きだったらもっと大好きになる。良いこと尽くめでしょ?」 まこ「そんな強引な……」 和「でしょ?って言われましても……」 咲「そんなのずるいです!!ちゃんと自分の気持ちと向き合って、結論を出してから告白するのが普通ですよ!?」 久「いやよ。そんなのめんどくさい」 咲「えー」 久「それに普通ってのに意味があるのかしら?私が悩んでいる間に他の子に取られてしまう可能性がある以上、即断即決、先手必勝が一番でしょ」 咲「でも、でも!」 優希「いい加減にするじぇ……、咲ちゃん」 咲「……ゆうきちゃん?」 優希「今さら、何を言っても部長の気持ちは変わらないじぇ」 咲「でもわたし……嫌だよ……」ぐすん 和「宮永さん……」 まこ「咲……」 久「……」 優希「甘えんな!」 咲「!」びくっ 和「優希!」 優希「泣くほど悔しいんだろ?なら、なんで行動しなかったんだじぇ」 咲「だって、もし、グスッ、京ちゃんに、振られたら、グス、一緒に入れなくなるかも、ヒグッ、しれないし」えぐっ 咲「そんなの絶対いやだもん!」ぐすっ 優希「咲ちゃんは傷付きたくなかっただけだじょ!だから、居心地の良い今のままの関係で妥協してたんだじょ!」 優希「自分以外の他の誰かが、京太郎と恋仲になる可能性だって理解していたはずだじぇ」 咲「グスッ、エグッ、グスッ、嫌ー、いやっ!!」 優希「雛鳥が口を開けていれば親鳥が餌を運んで来てくれる。そんな関係はありえないんだじぇ!」 優希「ずっと一緒にいれば、いつか自分の気持ちに気づいて京太郎の方から告白してきてくれる。そんなことは、ありえないんだじぇ」ギリッ 優希「自分から行動しなくちゃいけなかった」 優希「でもできなかった」 優希「今の関係を壊す勇気がなかったから」 優希「でも部長は、それができたんだじぇ」 優希「今の関係を失うかもしれないことを理解してなお、一歩進んだんだじぇ」 優希「壊れそうになるくらい京太郎が好きだったのに、行動してこなかった、行動できなかった咲ちゃんが悪いんだじょ……」 和「ゆうき!言いすぎですよ」 咲「……いいの、グスッ、原村さん。きっと、グスッ、優希ちゃんも、辛いはずだから」ひぐっ 優希「咲ちゃんは馬鹿だじぇ!」 優希「でも」 優希「もっと馬鹿なのは私だじぇ」 優希「長い時間、京太郎と一緒にいた咲ちゃんに負けたくなくて、いっぱいアピールしたじぇ」 優希「皆の前でじゃれついたり、京太郎に構って欲しくて意地悪なことを言ったりしたじょ」 優希「咲ちゃんを除いて京太郎と一番仲のいい異性は自分だ、なんて思ってた」 優希「今の関係で満足してた、居心地の良さに甘えてたんだじょ」 優希「さっき咲ちゃんに向けての言葉は全部、自分に跳ね返ってくるんだじょ……」 優希「分かってたのに、ぐすっ、わかってたのにな、ぐすっ」 まこ「優希……」 優希「だから咲ちゃん、私たちは、ぐすっ、ぎょうだろうを、ひっぐ、あきらめなきゃ、だじょ」 咲「グスッ、分かってる!分かってるよ、ヒグッ、でも、ズビッ、頭では理解しているけど、どうしてもダメなの!!」 和「宮永さん……」 優希「私だって諦めたくないじょ、でも!」 久「そんなに須賀君が好きなら今から告白すればいいじゃない」 咲「」ぽかーん 優希「」ぽかーん 咲「へ?」 優希「は?」 久「だから、ここでのびてる須賀君を起こして二人とも告白しなさいて言っているのよ」 まこ「お前さん、自分が何を言っているのか理解しているのか!?」 久「当然でしょ」 和「では、なんで?自分の彼氏に今から告白しろって、そんなオカry」 久「あのねぇ、私は須賀君に告白したとは言ったけど付き合っているなんて一言も言っていないわよ」 優希「まさか、告白したはいいが京太郎に振られたんだじぇ!?」 久「違うわよ……不吉なこと言わないでちょうだい!須賀君に告白の返事を保留にしてもらっているだけよ」 咲「どうして、そのような事を?」 久「フェアじゃないでしょ。ずーと前から須賀君のことが好きな娘が二人もいるのに、その娘達の想いを無視したまま、須賀君と付き合うのは後ろめたさがあるじゃない」ニコッ 咲「部長」うるうる 優希「ありがとうだじぇー」うるうる 久「勘違いしないでよ二人とも。私が敵に手を貸すのはここまでよ。さっきも言ったけど、こっからは全力で須賀君を落としにかかるから」 咲「私も絶対負けません!」 優希「京太郎と一番近い距離感で接している私だじぇ!ゆえに敗北することなどあり得ないじぇ!」 久「それじゃあ須賀君を起こすわよー、心の準備は良い?」 咲「あわわわ、本当に今から告白するんですか……明日じゃダメですか部長?」 優希「そそそそうだじぇ、今日は日が悪いし、明日にしてくれだじぇ部長!」 まこ「怒ったり、泣いたり、焦ったり忙しい奴らじゃのー」 和「この期に及んで、まだへたれますかこの二人は……」 久「別にいいわよー」 咲「ありがとうございます!部長!」 優希「さすが部長、話がわかるじぇ!」 久「いいけど、私、須賀君に告白の返事きいちゃうわよ」 咲「何を言っているんですか、はやく、京ちゃんを起こしましょう。もうこの気持ちは1分1秒止められません」 優希「そうだじぇ、このままじゃ京太郎への熱い思いが暴走して寝ている京太郎をむちゃくちゃにしかねないじょ」 まこ「本当に何なんだこいつら……」 和「優希にいたっては完全にアウトです」 久「そう、じゃあ起こすわねー」 まこ(京太郎の耳元に顔を近づけていったい何をするつもりじゃ) 和「実にラブリーですね」 久「かぷっ」 京太郎「甘がみっ!!!」がばっ まこ「実にテンプレじゃの」 和「フラグ立てましたからね!二重の意味で」ドヤー 久「おはよう、須賀君ご機嫌いかがかしら?」 京太郎「最高ですって……顔近いすっよ!?なんですかいきなり!!」 久「なんか、咲と優希が君に話があるそうよ」 京太郎「話し?なんだ二人して」 咲「京ちゃん」 優希「京太郎」 「「好きです(だじぇ)」」 京太郎「へっ?」 咲「中学の頃、友達がいなかった私に声を掛けてくれた時から、ずっと好き」 優希「私の我儘をなんだかんだ言いながらも聴いてくれる京太郎が好き」 咲「好きじゃない所なんてないくらい好きなの」 優希「京太郎の声を聞くだけで元気になるんだじぇ」 咲「だから、私とずっと一緒にいて京ちゃん」 優希「京太郎とずっと一緒にいたいじょ」 京太郎「咲、優希……」 久「須賀君、わたしの事も忘れないでちょうだいね」 京太郎「部長……」 久「当然、私も大好きよ須賀君」 京太郎「俺は……」 まこ「3人とも真剣に告白してるんじゃ、お前さんはそれに応えなければいけない、そうじゃろ?」 京太郎「はい」 和「須賀君、皆さんは相当の覚悟の下あなたに告白しました。なら、あなたも相応の覚悟を持って応えてあげてください」 京太郎「あぁ、分かっている……、中途半端な返事なんてしないさ」 京太郎「俺は」 全員「」 京太郎「俺は!」 全員「」ごくり 京太郎「俺は 久「いっけなーーーい、もうこんなじかーん」」 京太郎「へ?」 久「やばいわー!こんな時間まで部活やってたら目つけられちゃうわー」 咲「そ、そうですね!もう、部活の時間だいぶ過ぎちゃってますし!」 優希「ほ、ほんとだじぇ!今日の所は残念だけどお開きにしとくかだじぇ!」 久「そうね、ひじょーに残念だけど今日の所は時間もないし、しょうがないわねー」 まこ「……おい」イラッ 久「何かしら、急いで帰らないと帰りがおそくなっちゃうわよ!まこ」 まこ「いやいやいやありえんじゃろ!?この空気で京太郎の返事を聞かずに帰るとか、それにまだいつもの終了時間を5分過ぎただけじゃ!!」 久「それは、ほら、あれよ!えぇーっと、そうよ!昨日も遅くなっちゃたし、毎日遅いとお家の人が心配するでしょ!」あせあせ 咲「そうです!昨日わたしの家の人めっちゃ心配してました!」あせあせ 和「宮永さん気が動転して、あなたが普段絶対使わないであろう表現を使ってますよ」 咲「そんなことないでやんす」あせあせ 和「無理がありすぎる!?」 優希「それに、京太郎にも考える時間は必要だじぇ」あせあせ 久「そうよ!須賀君だって色々あって混乱してるだろうし、返事は明日に回した方がいいわよ!」 まこ・和「このへたれ達は本当に……」 久「べ、別にへたれたとか、そういうんじゃなくて、須賀君も今より明日の方がいいでしょ?」 京太郎「俺は今からでもぜんぜんいい 久「そうでしょ!明日の方がいいわよね!!」……はい」 まこ(京太郎も苦労するの……) 和(3人には悪いですが、須賀君は3人とも振るっていう選択肢が一番良いんじゃないかという気がしてきました……) 久「それじゃあ、みんな帰るよー!」 咲「はーい」 優希「はーい」 まこ「京太郎頑張れ、超頑張れ」 京太郎「ははは……」 和「明日はきっといいことありますよ!」 京太郎「皮肉を言われた!!」 京太郎(でも、まあ) 久「須賀君また明日ー」にこ 京太郎(なんていうか) 優希「またなーダーリン」にこ 京太郎(あの残念な三人に振り回されるのも) 咲「京ちゃんバイバイ」にこ 京太郎(悪くない) 京太郎「あぁ!また明日!」にこ 京太郎(そう思います)
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京太郎「そういえば今日は水曜日だから咏さんのラジオ番組の日か……」 咏「お、京ちゃん今日もアシスタントやってくれるんかな?知らんけど」 京太郎「そうですねー。結構楽しかったですし今回もお手伝いさせてください!」 咏「おっけー、それじゃいこっかー」 ――――ラジオ局 咏「さーて今日も始まったわけだねぃ。『それいけCatChamber』の時間だよー。知らんけど」 咏「メインパーソナリティーは私、三尋木咏でお送りするよん」 ―――― ―― ― 咏「それじゃー今週もいってみよう。お悩み相談のコーナー。アシスタントは先週に引き続き付き人の京ちゃんだよー。知らんけど」 京太郎「今日もアシスタントさせてもらいます。よろしくおねがいしまーす」 咏「は、頑張ってねー。それじゃあ早速お便りの方よろしくねぃ」 京太郎「えー、ラジオネームてるてる坊主さんからのお便りです」 京太郎「『両親の別居でで離ればなれになった妹と仲良くなりたいんですが、どうすればいいでしょうか?あと、理想の女性像を京太郎くん、是非教えて下さい』」 京太郎「とのことです。って2つ目の質問なんですかコレ」 咏「そりゃ新しいアシスタントに興味もでる子はいるでしょー。知らんけど」 京太郎「はぁ、そういうもんですかねぇ」 咏「んじゃ、最初の質問に答えよっかなー。仲良くなりたいってことだけど、まずは妹ちゃんと会ってみることだと思うねぃ」 咏「わっかんねーけど、別居中ってことはなかなか合ってないってことっしょ?だったらまずは会うなりそうじゃなくても電話なんかで直接話さないとねぃ」 咏「こーいうのは自分から動かないと時間がもったいないと思うよー?知らんけど」 咏「ま、頑張りなよー。それじゃあ京ちゃんも質問に答えてねぃ?」 京太郎「は、はぁ……」 京太郎(咏さん本当質問の答は真面目だなぁ) 京太郎「そうですねぇ、ずばり牌のおねえさんこと瑞原はやりプロみたいな人ですかねぇ」 咏「……ほほう、そりゃまたどうして」 京太郎「やっぱりあのスタイルの良さですかね。男のロマンがありますよ」 咏「へーそうなんだー」ヒヤヤカ 京太郎「は、はい」 咏「それじゃー京ちゃんの性癖が明らかになったところで今日はここまでにしよっかねー」 咏「京ちゃんはもう帰っていいよー?知らんけど」シッシッ 京太郎「ひどい……」 ―――― ―― ― はやり「京太郎くん、私みたいなのが……?」カアァ
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京太郎「しかも清澄高校だけじゃなくて長野県の全部の女子麻雀部員を、だ」 京太郎「とりあえず大阪に逃げよう……」 京太郎「もう二度と長野には帰ってこれないな……」 京太郎「一番感度が良かったのは池田さんだったなぁ」 京太郎「少し舐めただけで声をあげるもんだから、妹さんたちにばれないかひやひやしたもんだ」 京太郎「一番きつかったのはやっぱり衣先輩だな、半ば無理矢理なところもあったし仕方ないか……」 京太郎「一番喜んでたのは加治木先輩だったかなぁ、ひとつきするたびに声をあげてたし、なにより喘ぎ声がでかかったしな……」 京太郎「国広先輩はまさかのマグロだったからなぁ……今でもショックだよ……」 京太郎「結局、回数的には部長が一番多かったなぁ、誘ってくる時、服を引っ張って無言で立ち尽くすの、あれは反則だ」 京太郎「声出さないように一生懸命口閉じてるのも可愛いし、普段とのギャップがすごかったからな、征服感もあって最高だった」 京太郎「やべぇ、部長に会いてえ……でも長野には帰れない」 京太郎「咲はなぁ……こっちが持たないくらい何度も何度も連続したがったからなぁ、悪い気はしないんだけど疲れた……」 京太郎「まこ先輩は、敏感なのはいいんだけど後半、よだれたらして壊れたラジオみたいにずーっと喘ぐというか呻くからなぁ……」 京太郎「まあこれはタコス嬢も同じか」 京太郎「桃子ちゃんがラブセックス好きだったのは意外だったな」 京太郎「加治木先輩にお熱だと思ってたけど抱いたらそんなことなくなったし」 京太郎「人肌恋しいってやつなのかな? 毎回対面座位しかやらなかったし」 京太郎「ああでも、あの隠れ巨乳での献身的奉仕はよかったなぁ」 京太郎「巨乳といえばやっぱり和は外せない」 京太郎「前戯でも本番でも胸ばっかいじってたのはいい思い出だ」 京太郎「おかげで最終的には胸だけでイケるようになっちゃったし」 京太郎「……いきなり母乳が出てきたときは驚いたけどなぁ」 京太郎「龍門渕のメガネっ娘も隠れ巨乳だったっけな」 京太郎「メガネ外して見えなくなってる時にバックで突いたらいい感じに鳴くんだよなぁ」 京太郎「おっぱいもブルンブルン揺れるし。 あれは壮観だった」 京太郎「……本人は否定してたけど、あの人は間違いなくMだな」 京太郎「思い返せばMな人はいっぱいいた気がするなぁ」 京太郎「龍門渕のお嬢さん……風越のキャプテンさん……鶴賀のビギナーズラックちゃん……」 京太郎「ソフトなのからハードまで」 京太郎「それぞれ持ち味があってよかったなぁ」 京太郎「さて、次は岩手のあたりにでも行ってみようかな」 京太郎「博多美人を堪能しよう」 カン
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特別編 side永水 ※京太郎は昔から永水にいたという設定です。日記発見から中身拝見までの流れは省略します ★月◆日 買い物に行くと、福引をやっていた 久しぶりにやってみると、特賞という枕崎紅茶『姫ふうき』というのが当たった 紅茶には詳しくないので帰ってから調べてみると、なんでも世界一になったことがある紅茶だとか 結構すごいもの当てたんだな、俺 これを1人で飲む訳にはいかないので、小蒔さん、霞さん、初美さん、巴さん、春、それに明星と湧も呼んで飲むことになった 調べられるだけ調べて、できることをできる限りやって『姫ふうき』を淹れた みんな世界一ということで期待した様子で飲んだ 紅茶には詳しくないが、これはすごい なんというか、今まで飲んだものと明らかに”違う”と分かるほどの味だった 普段紅茶を飲まないみんなも驚いたような顔をしていた にぎやかな初美さんは静かになり、春に至っては普段手放さない黒糖を置くほどだった しばらくみんな無言で『姫ふうき』を味わった 巫女服で紅茶は似合わないが、これほどの紅茶ならまた飲んでみたいと思った 小蒔「あの紅茶は美味しかったですね!」 霞「ええ。私も驚いたわ」 巴「ですね。当てた京太郎くんに感謝しないと」 初美「もう一回当ててきて欲しいですねー」 春「ん。アレは黒糖といいレベル」 初美「あくまで黒糖基準なんですかー?」
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2 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/01(火) 05 09 22.13 ID FkhuXWcNo [1/3] 【プロローグ】 如何にしてこうなったか。 今の状況を問うとすればこれが適切である問いかけだろう。 男、須賀京太郎は一人、身動きせず自答した。 京太郎は一人、暗闇にいる。 時刻は昼過ぎ、別段寝ているという訳ではない。 そもそも、自分の意思で動いたのは何時以来だろうか。 少なくとも、もう忘れてしまったこと。 相当は昔の話だ。 ひゅるり。 暗闇の中、敏感に外部の情報を察知する京太郎には少しの隙間風が身に染みる。 寒いな、と思わず身を捩る。 じゃらり。 鉄の擦れる音が響いた。 音の元は三箇所。 手と、足と、首。 目を凝らせば、僅かな明かりからそれが鎖の形状をしていると分かる。 それは京太郎を縛るもの。 京太郎の自由を奪っている、枷であった。 枷は肌との接触面に緩衝材を添えられた鋼鉄製。 力では絶対に破れず、だが拘束による痛みを目的としたものではない。 それは犬の首輪に似ている。 飼い主は首輪をつけることで犬を守ることへ繋げる。 自分より離れていかないように。 他者に連れて行かれないように。 所有物であるのを意味する枷と、京太郎に付けられた枷は似ていた。 そして京太郎も理解している。 この枷を課した相手が、そういった意図でこうしているのだと。 3 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/01(火) 05 10 16.79 ID FkhuXWcNo [2/3] 『どうしてこうなったんだ』 そんな問いは意味ないものだ。 京太郎がこうして拘束・監禁される前。 ある一人の女とよく言葉を交えていた。 京太郎の為す行為に小さく、あるいは大いに笑っていたのが印象深い女だ。 そんな、女。 あの女の家にと招かれたその瞬間が、今の状況へと繋がっている。 食事に薬を盛られ、監禁。 監禁当初の混乱から冷め、少しの余裕を持ち始めた時、見事な手際だと感心したものだ。 京太郎が小さくクシャミをする。 地下室であった。 季節はまだ日が強い時期であるが、逆にここは冷えすぎる。 何も言えず震えていると、ドアが開く音。 地下室から地上へと繋がるドアが開き、光を暫くぶりに取り込む。 眩しい。 京太郎が目を細めて見上げる。 光をバックに、人影があった。 京太郎を拘束した女だった。 ???「――――」 寒いのか? 女が問う。 寒い。 京太郎はそう答えた。 女が微笑む。 なら、暖めてあげる。 そう告げて、己の服に手をかけた。 衣擦れ音、衣服が床に落ちる音。 光のシルエットから服の輪郭が消え、女特有の丸みを帯びた肉体。 それがゆらゆらと揺れながら、京太郎へと覆いかぶさる。 『愛してる』 『暖かいね』 『気持ちいい?』 そう、無邪気に。 自分だけが独占できる宝物を楽しむように。 京太郎は一人、己の上で女の顔をする、愛欲に満ちた少女を濁った目で見つめていた。 香りがする。 それは、淫ピな匂いではない。 何処からともなくやってきた、ガソリンの香り。 家の外で、空のポリタンクを持った女が小さく笑っていた。 ――――京太郎の意識が喪失、そして巻き戻されていく。 【→最初から】 25 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/01(火) 17 08 27.81 ID K+u4DXQTo [2/4] 【~introduce~】 夢を見ていた気がする。 熱い夏の夜。 こんなにも汗がひどいのは初めてだ。 見れば、部屋のエアコンはすでに停止していた。 東京、ホテルの一室。 こじんまりとした一人部屋、男が自分だけだからこその個室の主である俺は息を吐く。 暑い、熱い夢だった。 肌と肌が触れ合う熱さ。 男と女が交じり合う熱気。 まるで毒の熱。 肉を内側から焼かれる熱だ。 夢にしたって、あれはあんまりというものだ。 京太郎「溜まってるのか、俺よ」 我が分身に声をかけてみる。 返事はない。 それが当然。 思わず苦笑すると足は風呂場に向かう。 肌に張り付く汗を流したかった。 冷水を出す。 冷たい。 同時に、火傷を冷やしたようなぴりりとした痛みがある。 火傷は当然のように、存在しなかった。 京太郎「………?」 ふーむ。 冷水を頭に浴びつつ腕を組む。 火傷するようなことをしただろうか? 優希にタコスを作ってやったくらいでしか最近は火を使った覚えが無い。 どういうことだと思いつつ、俺はバルブを閉じるために手を伸ばした。 その時、ノックの音が聞こえる。 来訪者が来たことを俺に教える。 咲「京ちゃーん、朝だよー!」 京太郎「咲か?」 声は咲のものだった。 咲、宮永咲。 俺の幼馴染。 俺は慌ててズボンを穿き、シャツを羽織る。 ノックがもう一度入る。 それに俺は「へいへい!」と声をかけてドアを開く。 目が合う。 驚いた。 咲はそういう顔をしたがすぐに視線は俺の顔から少し下に。 俺は片手で胸元のシャツのボタンを留めながら口を開いた。 京太郎「すまんすまん、風呂入ってた」 俺の声が廊下に響く。 少し顔を逸らして、咲は俺に声をかけた。 咲「……遅い!すぐに開会式に行くよ!」 開会式。 麻雀女子高校全国大会。 その開幕が、今よりほんの一時間もしない内に開幕するのだろう。 俺はの前を歩きながら、今その舞台へと立つ仲間たちを見送っていくことになる―――。 それに挑む、咲へと振り向く。 適当に髪をくしゃくしゃにして、俺は咲の手を引いていった。 咲が片手で俺がくしゃりと潰した髪を手櫛で直す。 そうして、小さく。 小さく、笑った。 少し、ほほを朱色に染めながら。 咲「うん、行こう。皆が、待ってる」 【次回より本編開始します、今夜やるかもです】
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一「――――というわけで、この間の買い物の目的はココで使用するための一式でしたー」 一「真夏の砂浜に、押しては返す波まで完全再現した巨大プール施設のチケットを格安で手に入れちゃってね。これはもう来るしかないと思ったのさ」 智紀「わー、パチパチ」 純「おーい、大丈夫か京太郎~?」 京太郎「ゼーハー……だ、大丈夫、です……」(両肩にクーラーボックス+背中にデカリュック ハギヨシ「申し訳ありません、須賀様……」(デカランチボックス提げ+ビーチパラソル背負い等々 京太郎「いえ、ハギヨシさんに比べたら全然楽……ですから」 京太郎「っていうかココに着ても執事服のまんまなんですね、暑くないんですか!?ここ、真夏のビーチを再現してるって話ですけど……」 ハギヨシ「ハハハ、問題ございません」 ハギヨシ「私はあくまで執事ですから」(キリッ 京太郎(カ、カッケ~……) 衣「おおお~、凄いぞ、実に雄渾壮大な施設だ!」 一「衣はこーいうとこ初めてだったっけ?今日は思いっきり楽しんじゃってよ」 衣「無論!!透華、早く着替えに行こう!」 透華「え、ええっ、わか、分かりましたわ……!」 京太郎「龍門渕さん、朝から調子悪そうだけど大丈夫なんですか?」 透華「も、問題なんて何一つありませんわ!ええ、あるものですか!!」(真っ赤 透華「さ、さあ着替えに行きますわよ衣!」(ズッタカズッタカ 衣「おー!」 一「それじゃあ、ボクらはあっちで着替えてくるよ」 純「陣地取りは任せたぜー」 智紀「行ってきます」 京太郎「さってと、コレはここでコイツはあの辺でいいか」 ハギヨシ「須賀様――ここの準備は私がやっておきますので、水着に着替えてきてくださいませ」 京太郎「え、でも……」 ハギヨシ「どうかお気遣いなく。むしろこの場では須賀様も皆さまと一緒に楽しんでいただけることが、私にとって一番の気遣いになりますので」(ニッコリ 京太郎「そ、そうですかね?じゃあ……お言葉に甘えて俺も!」 ハギヨシ「ハイ」 ハギヨシ「透華お嬢様、出過ぎた真似をして申し訳ありません……」 衣「京たろー、待たせたな!!」 京太郎「いや、全然待ってないですよー。俺も着替えて今戻ってきたところだし」 衣「おー、京たろーも準備万端か!よし、だったら衣が一緒に遊ぼうじゃないか!」 一「あ、ちょっと衣――」 京太郎「それは心強いですね。よーし、分かりました!衣さん、一緒にここを遊びつくしましょう!!」 衣「ここは物情騒然、衣とはぐれないよう注意するんだぞ京たろー!」 衣「まずはあそこだ、あそこにあるおっきな滑り台で遊びたい!!」(手を引っ張ってグイグイ 京太郎「了解しました!と、というわけで俺、衣さんとその辺ブラついてきますから、みなさんも楽しんできてくださいね」 衣「京たろー、何してる、早く早く!!」 一「あーぁ、行っちゃった……」 ハギヨシ「国広さん、透華お嬢様はどちらに?」 一「んっとねー、着替えたまではよかったんだけど、土壇場になって水着姿を見られるのが恥ずかしいって逃げ出そうとして――――」 ハギヨシ「さ、左様でございましたか」 一「そろそろ、純くんとともきーのコンビに捕まって引っ張ってこられるんじゃないかなー」 透華「い、いい加減、手を離しなさい純!こんなことしなくても……しなくても一人で……ぜ、絶対に大丈夫ですから、たぶん」 純「んな弱々しく誓われても信用できねーって。つーか、そんなこと言うなら智紀にプロファイリングされなきゃ見つけらんねー場所まで逃げんなってーの!」 智紀「かなり、手こずった」 一「おかえりー、透華」 透華「ぁ、うぅ……」(モジモジコソコソ 透華「フ、フフンッ、お待たせしましたわ!」 透華「折角こういった場所に来たのです、ひ、暇潰しに付き合いなさい京太郎――――あら?一、京太郎はまだ着替えから戻っていないませんの?」 一「ごめーん、透華。須賀くん、もう衣に持ってかれちゃった」 透華「――――――――」(ヘニョリ 一「あ、頭頂の触角がしおれた……」 純「ウダウダやってるから、痺れ切らして行っちまったんだな。まあ腹減ったら戻ってくるだろうし、俺達も好きに泳いどこーぜ」 智紀「たぶん透華は、それが目的じゃなかった」 透華「いいですわ、純……一も智紀も、好きに遊んできなさい。私はここで休んどきますわ」(トボトボ 一「あ、ちょっと透華!?」 純「なんだ、アイツ?朝から落ち着きなかったし、やっぱ体調悪かったのか」 智紀「フラグが……折れたから」 純「ふーん?」 衣「京たろー、次はアレだ、アレに挑戦するぞ!!」 京太郎「ア、アレですか」 衣さんの指差した先にあったのは、グルグルウネウネと捻じりくねった巨大なウォータースライダー。 京太郎「あの、本当にアレに挑戦するんですか?」 衣「無論!どうした京たろー、臆したのか?」(フフン 京太郎「え、ええ、まあ……」 チラリと見た看板に書かれている「心臓の弱い方・ご老人のお客様の利用はご遠慮ください」の文字を確認してから頷く。 楽しそうにしている衣さんには悪いけど、ここは駄目な気がする。 京太郎「あ、さっき滑る系のアトラクションは楽しんだし、次は……そうだ、流れるプールとかどうです?」 衣「むう、衣はアレがいいんだ!」 京太郎「ええ~……まあ、衣さんがいいんでしたら構わないんですけど」 こんなに楽しそうにしてるんだし、もう衣さんの好きにしてもらっていいんじゃないかな――――そう考えてた時が俺にもありました、なんて嘆くことになったのはそのすぐ後のことだった。 衣「よ、よし、衣の心の準備はできたぞ……!」(ガクブル 京太郎「あ、あの、ホントにやるんですか?ものすっごく震えてるのに……」 衣「フ、フフ、震えてなんかない!これは武者震いだ!!」 京太郎「日本語って便利だなあー」 ウォータースライダーの順番待ちの列に並んだ時に出された係員さんの指示。 それは、衣さんの体格だと途中でコースから飛び出してしまう危険がなきにしもあらずだから、しっかり抱きしめて一緒に滑ってあげてください、ということだった。 そんな危険な施設を年齢制限も身長制限もなしに開放してるのはどうなのかと思ったけど、そこはまあ諸般の事情という奴があるのだろう。 かくして今の俺は、足の間に座る衣さんの腰を抱いてウォータースライダーの入口で待機していた。 衣「は、はは、なかなか楽しめそうじゃあないか。い、いいか京たろー、離すなよ?絶対に衣のことを離すんじゃないぞ!?」 京太郎「ハイハイ、分かってますって……」 いざ入口に来て、眼下に見える人が大き目の豆粒程度な高さであることに驚いたのだろう。 腕の中で震えている衣さんを安心させるために、ほんの少し腕に力を込めて抱き寄せる。 衣「ぁぅ……」 京太郎「大丈夫ですよ、ちゃんとこうして衣さんのこと抱きしめておきますから」 ちょびっとばかし臭いなとは思ったけど、まあ相手は衣さんだし問題ないだろう、たぶん。 内心、今腕の中にいるのが和だったり智紀さんだったりすれば、あの魅惑的なお餅が腕に触れて得も言われぬ快感を味わえたりしたんだろうな、と考えたり。 俺だって健全な男子高校生なわけでして、そうした幻想を抱いてしまうのは仕方のないこととして諦めてほしい。 京太郎(にしても、高っけ~……これその辺のビルよか高いだろ~) 係員「それじゃあ、押しますよー」 京太郎「はーい」 衣「あ、あわわわ……!」 ウォータースライダーの中に押し込むための合図。 腕の中で衣さんが目を瞑って、体を強張らせる。 背中に衝撃。 京太郎「おおわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 衣「ヒヤアァァァァァァァアァァァァッ!?」 そして俺と衣さんは――――――その日、流れ星の気持ちを少しだけ理解した。 衣「うぅ、グスッ……」 一「あ、帰ってきたみたいだよー……ってどうしたの、衣!?」 京太郎「い、いや、ちょっと……ウォータースライダーで――」 一「えっと……何があったの?」 衣「京たろーが嘘ついたんだー、衣のこと抱きしめてるって約束したのにー」(メソメソ 一「は?」 京太郎「ちょっと、人聞きの悪いこと言わないでくださいよ!!」 透華「えっと……どういう、ことですの?」(ガタブル 透華「あ、遊びに来て早々、衣とばっかり遊んでたと思ったら……抱きしめてるって、え?何なんですのそれ?」(ワナワナ 京太郎「りゅ、龍門渕さん?」 透華「きょ、京太郎――――ロリコンでしたのねーーーーーー!?」(脱兎 京太郎「なんて誤解をまねくことを!?っていうか龍門渕さん、龍門渕さーーーーん!?」 衣「ロリコン……?」 智紀「自分より年下の女の子にしか魅力を感じない人のこと。だから、ここでの使い方は間違ってる」 純「一応、衣って京太郎よか年上だしな……信じらんねーけど」 衣「衣は子供じゃないぞ!!」(プンスコ 〈ケース4・衣〉子供じゃない、ころもだ!END
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第九章【思い込みメール 彼女気取りのネキ】 アフター 洋榎「でなー、その時に恭子ったら面食らってなー」クスクス 京太郎「姫松はいつも楽しそうですね」 洋榎「……んー?」 京太郎「? どうかしました?」 洋榎「なんか物足りへんのや」 京太郎「へ?」 洋榎「メールに慣れたせいやろなぁ。須賀の言動が優しくて、ムズムズするねん」 京太郎「そう言われましても」 洋榎「全然本音でええんやで? しんでくださいーっとか」 京太郎「メールだと言えるんですけどね」 洋榎「なんでやろか?」ウーン 京太郎「多分ですけど」 洋榎「?」 京太郎「ひろさんが可愛いから、顔をみながら死んで、なんて言えないんですよ」ニッ 洋榎「なぁっ!? か、きゃわっ!?」カァァァ \ . \ \ ; イ .i . ヾ\ つ /\/ .,' ハ .} .i// ハ;/ \//i / ! /i i′ / 气テテZ=, // -‐‐''" ! }{. l ;;; i テ=ェx_ / .} .;' 乂 ソ | ;;; 「./ ./i/ xxxx 乂ソ厶イ _;ィ′ 、 "" i ノ \\ \ r‐ ― ァ U 八i' //..r‐/≧ ..._  ̄ __, イ i /" \ /  ̄ ! ii /‐'iハ | .;'ハ__,/》《∧_}\. |/,/ /|| |ト、! \_/ .|| || i } /ハ! ,/ i { / .! 洋榎「そ、そないな――//」モジモジ 京太郎「というのは――ウ・ソでーす」ニッコリ 洋榎「」 京太郎「何期待してるんですか? しんでください」ニコニコ 洋榎「お、おぅっふ」キュン 京太郎「?」 洋榎「……あー、やっぱコレやわぁ」テレテレ 京太郎「(なんだかよくわからないが、これはこれで可愛いな)」ホクホク 洋榎「次はもうちょっと、強めの語気でやったくれへん?」 飾らない君が好きッッッッッ!!!!
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コーン、コーン、コーン……。 京「ようやく見つけたぞ八尺……いや、白衣を纏いし、人ならざる白面の女……」 京「――玉藻御前!」 豊音「えええええええ!?」 奥州妖怪物語 ~玉藻御前と俺~ 豊音「ち、ちがうよぉおお~、わ、わたし、妖怪なんかじゃないよ~!」 霞「騙されないで下さい、須賀さん!」 京「ああ、わかっている。これだけ特徴が揃ってるんだ、間違いのはずが無い!」 豊音「は、話しを聞いてよー!」 京「フッ、その白い衣、明らかに八尺→白面→玉藻御前の特徴だ!」 豊音「これは、何時も私が黒い服ばっかり着てるから、たまにはって、誕生日に友達が……」ボッチジャナイヨー 京「まだあるぞ!その白く染み一つ無い肌はなんだ!古書に記されている、特徴の通りだ!」 豊音「えっ?ええっ?」 京「白い美肌のみならず、その人とは思えないまるで天女の様な美貌、 鳥羽上皇を惑わした、絶世の美女、そのものじゃねーか!騙されないぞ!」 豊音「……///」カァァッ 京「夜句茂多菟伊弩毛夜覇餓岐菟磨語昧爾夜覇餓枳都倶盧贈廼夜覇餓岐廻!」 豊音「……び、びはだとか、び、び、びじょとか……きゅうにそんなことを、い、いわれても……」カアアアアアアッ 京「なんだと!?浄化の呪歌が効かないとは……くっ!こうなったら!」 京「お前、今生の名前は姉帯豊音とか言ったな!」 豊音「ひゃ、ひゃい!(な、名前を呼び捨てられちゃったよー///)」 京「どうやら、俺の力ではお前を封じられないようだ、だが安心するなよ」 豊音「?」 京「お前の事は俺が一生見張って、まとわりついてやるからな!」 豊音「……えっ?」 京「俺はお前を絶対に離さない!どんな苦難があろうとも、絶対に離さずに一緒に居る!これは決定だからな!」 豊音「……///」ボッ! 京「お前も、嫌だろうが……覚悟を決めてもらうぜ」 豊音「……よ、よろしくだよー///」 霞「カンッ!」 万華京忌憚 暗い暗い土蔵の中には、異物があった。 それは異物であり、生まれた時から忌物と見なされ、どうしようもない畏物となってしまった。 「先生……ワタシ、待ッテタヨ」 どうしようもないほど俺が畏れる畏物は、鈴のような声で、本当に嬉しそうな声で呼んでくれた。 「……ああ、久しぶりだね……鈴」 「ソウジャアリマセン、先生……私ノコトハ、リンと、エイスリント、呼ンデクダサイ」 「ソウ……アノ時ノヨウニ」 「『先生』、お久しぶりです」 私は、固い声で京太郎さんを呼んだ。 「お久しぶりです、塞さん」 京太郎は、疲れた声で私に挨拶をした。 以前なら絶対に見せなかった作り笑顔は、都会で覚えたモノなのだろうか? 「……あの子には会いましたか?」 声が更に固くなる事を自覚する。 「はい、軽くですが、診察も済ましてきました」 「そうですか……お疲れでしょうし、湯に入って旅の疲れを癒してくださいませ、 部屋は既に用意してありますから……あっ」 その時、私は気が付いた。 京太郎さんが、玄関を開けたまま……一歩も中に入っていない事に。 「どうぞ、お入り下さいませ」 私は、急かす事をせず、ゆっくりと待った。 「……失礼します」 たった一歩に、二分ほど掛かって、やっと京太郎さんは家の中に入った。 ……しょうがないと思う。 帰りたくなんかなかったろう……こんな。 こんな、……絵緯須家なんかに。 続かない。 咲「……処女を捨てたい」京太郎「俺の童貞が狙われている?」 ロケテスト版 それは、中学三年、最後の夏休みの夜だった。 「……う゛う゛う゛」 暑苦しさでうなる俺 そうだ、何故か俺は、自分が眠っている事を知っていた。 『……せ……りゃ…んせ』 「うる……さい……」 暑さでイライラしていた俺は、高くも低くもない涼やかな声にさえイライラした。 だが、その声……いや、歌は止まらない。 『とーりゃんせ、とーりゃんせ……とーりゃんせ…とーりゃんせ』 「う゛う゛……うるさいなぁ」 『こーこはどーこの細道じゃ』 「え?……わかった……何でもいいから、静にしてくれ」 俺は夢を夢と知りながら、思った。 眠っている"俺"は、誰と話をしてるんだ? 『……姦姦唾螺(カンカンダラ)さまの 細道蛇ァ ♥』 なんだ……体が……? 眠っている俺に、身体の感覚など無いはずなのに 何故か俺は、意識ごと体が、どこかに吸い込まれるのを……感じていた。 『ちぃーと通して くだしゃんせ』 『御用のないもの 通しゃせぬ』 『呼ばれたものだけ 通しよる』 ああ、体が熱い。 『姦姦唾螺さまに呼ばれたモノだけ 送りだす』 まるで、体が作り変えられたかのようだ……。 『とーりゃんせ とーりゃんせ』 九州の某所。 「姫様ァアアアアア!」 「……ふぇ?」 「神様を降ろしたまま、熟睡しちゃ駄目じゃないですかー!」 「あらあら、やっちゃったわねえ♪」 「しかもこんな蛇神を降ろしたまま、朝まで眠りこけるなんて、何かあったらどうするんですか!」 「まあまあ、私達六女仙"には"、何も無かったんだから、よかったじゃないですか♪」 「それは、そうかもしれませんけど……」 「くー……くー……zzz」 「って、二度寝しないで下さい!払いの儀式しなきゃ駄目ですよ!」 「うふふ、寝顔可愛いわねぇ♪」 彼女達は知らない……遠い、中部地方で……蛇神が"遊んだ"事を。 あれから半年……俺は高校入学の日を迎えた。 「お、同じクラスになれるといいね、きょ、京ちゃん」 "何時もどおり"咲がハァハァと鼻息を荒くして、俺のお尻を見つめながら離しかけてくる。 半歩だけ後ろから見てるから、気がついてないと思っているかもしれないが、これだけ露骨に見られれば、誰だってわかる。 はあ、元の世界の俺も、こんな風だったのかな……。 思わず、おもち好きの自分を反省してしまう。 「そうだな、とりあえず張り出してあるクラス表を見ようぜ」 ああ、なんでこんなことになっちまったんだろう……。 中三の二学期の最初の日、起きた俺は、体に違和感を覚えながらも、普通に登校した。 「……ん?」 何かがおかしい。 なんとなく、がに股の女子が増え、そして内股の男子が増えている気がする……。 そして、見知った教室に着くと、何時も大人しい学級委員長が友人相手に「がははっ」と豪快に笑い、 イケメンのサッカー部エースが、チマチマとピンクの毛糸でマフラーを編んでいた。 なんだこりゃ? 俺の頭は、すでに嶺上崩壊していた。 『催眠調教』 ~放課後の卑怯者~ 和「ロンです!」 咲「わわわっ!?やられちゃった~!」 タコス「おお、流石のどちゃんだじょ、見事私の仇を取ってくれたじぇ!」 和「うふふ、久しぶりに咲さんと同じ卓でトップになれました」 京太郎(おお、清楚な笑顔とエトペンの乗っかった大きなおもち、やっぱ和は最高だな~) 京太郎「おめでとさん。和はミルクティーで良かったよな?」 和「ありがとうございます、須賀君」ペコ 咲「京ちゃーん、私にも~」 京太郎「はいはいお姫様、角砂糖3個のあまあま仕様の紅茶をどうぞ」 咲「む~、頭脳ろうどーした後の糖分はじゅーよーなんだから、しょうがないんだもん!」 京太郎「はいはい」 京太郎「先輩達はコーヒーでよかったですよね?」 まこ「おお、すまんのお」 久「ありがとうね、須賀君」 京太郎「いえいえ、どうしたしまして」 優希「……おい、そこのお茶汲み」 京太郎「ん?どうかしたか?」 優希「私のお茶はどうしたんだ?まさか忘れたなんて言わないよな?」 京太郎「えっ?だってお前、さっきからずっと、その手に持ってる"微ックル"をグビグビ飲んでたじゃん。お茶なんていらないだろ?」 優希「うるさーい!お茶と微ックルは別腹なんだじぇ!いいから、用意するんだじぇ~!」 京太郎「……いやいや、同じ飲み物だろ」 入部してから数ヶ月経ち、部活の皆とも打ち解け、仲良くなり、 俺、須賀京太郎はそれなりに楽しく部活をやっている最中である。 お目当てのおも……和とも、俺の観察スキルが上がったのか、それとも和に耐性が付いたのか、 部活中にOMOTIウォッチングをしていても、露骨に睨まれたり、胸を隠されたりされる事もなくなった。 まあ、だからといって、咲や優希のように、親友レベルで仲良くなれたわけではないのだが……。 そんな事はさておき、今、俺の目の前には変なチラシがあった。 何時の間にか、俺の学生服のポケットに入っていたのだ。 部活中には、何も入ってなかったから、多分帰りに商店街をウロウロいている時に、ねじ込まれたモノだと推測できる。 まあ、単なるチラシに、なんでここまで頭を悩ませているかと言うと……。 『購入者大絶賛!誰でも簡単に使える、簡単催眠術!』 ピンク色の紙の上に、黄色文字に黒の縁取りで、それはデカデカと描いてあった。 黒と黄色という警戒色で無かったとしても、怪しさ2000%だ。 ソングの王子様もビックリの確立である。 京太郎「まったく馬鹿らしいな、こんなもんで他人を自由に出来たら、誰も苦労しねーっての」 京太郎「だいたいそんなに凄い催眠術なら、売らずに自分で使った方が儲けられるじゃねーか」 京太郎「…………購入者Aさんの感想ね、こーゆーのって、月マガの後ろとかによくあるよな」 京太郎「ああいうの書いてる人ってバイト代でるのかね?あと、札束のお風呂とかが定番だよな。……まったく馬鹿らしい」 チラリ。 京太郎「まあ、暇だからちょっと読んでみるから……暇だし」 京太郎「なになに、私はこの催眠術を使って、大好きな先輩と結ばれる事が出来ました。……まあ、よくある内容だな」 京太郎「それまでは、先輩は部活に一生懸命で、プライベートで合う事は殆どなかったんですが……」 京太郎「この催眠術を使ってからは、逆に先輩の方から近寄って来てくれて、イチャイチャラブラブの毎日です」 京太郎「そのうえ……えっ!?そのうえ、お堅い先輩が……自ら進んで、私の腕の中に入り」 京太郎「綺麗で凛々しい顔を歪ませて、私が望むだけ甘い声でせがんでくれるのです」ゴクリッ 京太郎「あはは!おいおい、突然嘘臭くなったな!まあ俺は最初から信じちゃなかったけどな!」 『○子、うち、……うち、もう我慢出来ん!』ちょっと焦らしただけで、催眠で調教したとおりに先輩はせがんでくれます』 『調教内容は事前に知っているとはいえ、普段はクールで頼りがいのある先輩が、私だけに違う一面を見せてくれるのです』 『私はとても興奮してしまい、更に激しく、催眠でも教えていない事を先輩の体に…………』 京太郎「………………ふぅ。……まあ、無いな。俺はぜってーに騙されないぞ、まったく、こんなの買う奴の気が知れないてーの」 数日後。 配達「では、ハンコかサインお願いしまーす!」 京太郎「えーと、須、賀、っと。お疲れ様です」 配達「ありがとうございましたー!また御贔屓に~!」 バタンッ。 京太郎「……買っちまったよ。……俺の馬鹿」 京太郎「……」 京太郎「まあ、買っちゃったのはしょうがないな。話のネタにする為にも、一通り説明書を読んでみるか」ルンルン♪ 京太郎「何々、これは匂いと音を複合した、とても効率の良い催眠術であり……」 京太郎「フムフム、……匂いで体をリラックスさせ、脳の緊張を解きほぐし、音楽に紛れ込ませた命令を」 京太郎「人には聞こえない音域で脳に直接染み込ませる、とても画期的で実践性の高い催眠方法である……と」 なんか、もっともらしい事書いてるよな…… まあネタにするにしても、誰かに試して『やっぱ効かないじゃん!』って感じでネタバラシするのが、一番笑えそうだな まあ最後を面白くさせる為に、準備はバレないようにした方がいいだろうな 京太郎「……うん、皆を楽しませるためならしょうがないよな。こんなもの効くわけがねーし」ドキドキ 京太郎やるにしてもターゲットは誰にするかな……」 京太郎「咲や優希だと、どうなるか読めて面白みに欠けるしな~」 部長だと、後々怖いし……だからって和にやって、本気で嫌われたら……俺、マジでへこんじゃうだろうし…… ん?別に誰を狙ったとかは言わなくてもいいのか? それなら、和を狙って、終わった後に、染谷先輩をターゲットにしたとか言えば、円く収まるかな? ……うん、先輩なら優しいから、軽く怒るだけで許してくれそう 京太郎「よーし、もっとよく読んでみるか……「なになに、これは人に聞こえない可聴域を使うため若ければ若い人ほど効きやすく」 京太郎「特に二十歳以下の相手になら……フムフム……ピッタリな感じだな」 ダダダッ! 京太郎「よし!部室に一番乗りだ!」 京太郎「ふふっ、今日は咲も優希も委員会で休み、だから今日来るメンバーで一番若いのは和」 京太郎「故に、催眠アイテムの位置も吟味すれば、より確実に和を催眠を掛けられるはず」 カチャカチャ。 京太郎「これでスタンバイオッケーと……和は卓に着かない時は、何時もこの席だからな」 京太郎「この席の後ろにアロマを置いて、そしてスピーカーをこの位置で十字になるように接地して……と」 京太郎「うひひ、まあ無いだろうけど、もし催眠が成功すればこのMP3に入ってる言葉の通りになるかの……」 京太郎「マジであのお餅が、催眠どおりになったら……ゴクリッ」 ガラッ! 京太郎「ヒッ!」 久「おっはよー!……って、何でそんなに驚いてるのよ?そんな大きな声出してないわよね?」 京太郎「ぶ、部長……いや、なんでもないです。お疲れ様です(マジ、ビビッタ)」ドキドキ 久「あれ?須賀君だけ?咲達は来てないの?」 京太郎「ええ、今日は咲と優希のやつ委員会で来れないそうなんですよ」 京太郎「和の奴は掃除当番が終わってから来るそうです」 久「あらそうなの……」 久「うふふっ、なら今日はまこも合わせて四人だし、須賀君も気兼ねなく打てるわね」 京太郎「ああ、そういえばそうですね」 京太郎(おお、今日はラッキーだな……ん?) 京太郎(おいおい、和が休憩に入らなきゃ、このスピーカーの配置、無駄になっちゃうじゃん!)ガーン! 和「お待たせしました。部長、須賀君、お疲れ様です」 まこ「よっ、二人とも待たせたの。じゃあ今日も部活を始めようか」 ……………… ………… …… 久「あら?このプレイヤーとスピーカーは?」 京太郎「えっと、あの……と、友達に安く売ってもらったんですよ」 京太郎それで、リラックス効果のある音楽でも流したら、部活ももっと効率が上がるんじゃないかーって、あはははっ」アセッ 久「へえ、須賀君にしては気が効くじゃない」 まこ「おいおい、部員で一番気が効くのは京太郎じゃろうが」 まこ「まあ、もっとも、一番気が効くのが唯一の男子部員ちゅーのはちぃーと、情けないものがあるがの」 和「……あははっ」 久「んじゃ早速……ポチッとな」 ~♪~~♪ 京太郎「……あっ」 まこ「これはスローテンポの賛美歌かのお?」 久「天使に愛ソングっぽくて、こういうのも結構いいわね」 和「そうですね、今日はこの曲を聞きながら打つのも、良いかもしれませんね」ニコッ 京太郎(うわ……、こんなんもうどうしようもないやん……逆に何事も無い様に祈るしかないか……) ……………… ………… …… 久「ふぅ……、ちょっと休憩しましょうか」 まこ「そうじゃな、今日は4人ピッタリで連続で打ったからの、集中しすぎて喉がカラカラじゃの」 京太郎「じゃあ俺、お茶入れてきますね」 和「何時も何時もすいません、須賀君」 京太郎「いやいやいいって事よ」 そう言って俺はインスタントコーヒーとティーバックを出して、マグカップと供に電気ポッドのところへもって行く。 チラッ。 しめしめ、和は例の定位置に座っている。 これなら催眠導入のアロマと、催眠指示の音楽を最大限に発揮できる位置だ。 ぶっちゃけて言おう。 今までは散々、無理だ、こんなもん有り得ないと言っていたが 心の中ではメチャクチャ願っていた!これが本物で、和を俺のいいなりに出来たら最高だと! 京太郎「ほら、和。先輩達もどうぞ……熱いから気を付けてくださいね」 和「すいません須賀君」 久「ありがとう、須賀君」 まこ「すまんのう京太郎」 毎回の事なのにちゃんと礼を言ってくれる。 この点に関しては、素直に先輩達を尊敬してる。 和「ふぅ~ ♥」 飲食の時だけは、和もエトペンを隣に置き、大きすぎるお餅を支えさせる事無く、自然に揺れるに任せている。 和「このお茶の時間は、部活に来る楽しみの一つになっちゃいましたね」 まこ「そうじゃな、京太郎には悪いが集中して疲れている時に、上げ膳据え膳してもらえるのは、本気で嬉しいけえのお」 京太郎「いやいや、俺はこういうの好きでやってるからいいんですよ」 いつも通りの会話をしつつも、俺の心の中でドキドキしていた。 普段ならチラチラと和に気付かれないように、顎とお腹の中間地点に視線を走らせる所なのだが今日ばかりは、その表情を探る。 ううん?効いて無いのだろうか?まったく変化が無い様に見える。 和「?」 しまった!和の顔を凝視し過ぎた! 和「どうかしましたか、須賀君?」 京太郎「い、いや、なんでもない」 ふう、ヤバイヤバイ。胸じゃなくて顔を見てたから、変な意味には取らなかったようだ。 あー、心臓に悪いわ……なんかもう、何事も無く終わってくれるのが一番な気がしてきた。 久「……」 和「須賀君、先輩、お疲れ様でした」 まこ「おう、お疲れさん」 久「お疲れ様ー、それじゃまた明日も頑張りましょうね」 京太郎「お疲れ様です」 やっぱりというか何事も無く部活は終わってしまった。 久「あら?須賀君はまだ帰らないの?」 京太郎「マグカップとか洗ってから帰ることにしますんで、先に帰っててください」 久「うーん、悪いわね……私も手伝おっか?」 京太郎「いやいや大丈夫ですよ。何時もの事ですから、すぐに終わらせて帰りますから」ニコッ 久「それじゃお願いね。お疲れさま」 まこ「すまんのお、ほんじゃまた明日」 和「お先します、また明日。さようなら」 京太郎「ふぅ~……やっぱインチキだったか」 京太郎「こんなの恥ずかしくて訴えるのも出来ないもんな。まったく良い商売だぜ」 その時俺は、愚痴を言いながらも、ホッとした気持ちで いつも通り手際よくカップを洗っていた。 嘘偽り無く、その時の俺は、その後の展開なんてまったく予想はしていなかった。 ガチャッ。 俺しか居ない部室に、扉が開く音が響いた……。 俺が音楽に混ぜた命令の一つは、 『よーし、一つ目の命令は"部活が終わった後に、俺と一緒に部室に残る"だな』 『都合よく二人っきりにならないと、この後の命令を実行させずらいからな』 まさか……まさか"本当"に催眠術が効くなんて……俺は思いもしなかったのだ。 ?「あら須賀君、まだ帰ってなかったのね」 京太郎「ぶ、部長!……えーと、忘れ物ですか?」 久「いえ、そういうわけじゃないんだけど……」 京太郎「はぁ?」 久「……」 京太郎「そ、それじゃ俺、洗い物も終わったんで帰りますね。それじゃお先します」ワタワタ 久「ま、待って!」ギュッ! 京太郎「……へっ?」 久「……」 京太郎(な、なんだこりゃ?……俺の背中にある柔らかい感触は、二つのお餅だよな?) 京太郎(つーことは、部長が俺を背後から抱きしめている?……えっ?マジで!?) 久「好きなの」 京太郎「……はい?」 久「……自分でもよく分からないんだけど、どうしても今日のうちに部室に戻って伝えなきゃいけない気がして」 京太郎(……まさか) 久「……貴方には咲が居るから、だから、言わないつもりだったんだけど……」 久「けど、今だけ!今だけでいいから!」ムニュ 京太郎(ふぉおおおおおお!柔らかい!柔らかいお餅が!ムニュ!ムニュっとおおおっ!!!) 久「はしたない女だと思わないで……いえ、思っても良いから、今だけは私だけを見て、……お願い!」ムニムニ 京太郎(マジで、マジで催眠術、成功しちゃったのかあああ!!?) 『部活が終わった後に、俺と一緒に部室に残る』 『何故二人きりになりたかったのか?それは貴方が須賀君の事を好きだからです』 京太郎(そして、この後は……) プチプチ……シュルル……。 『貴方は大好きな須賀君に、その最高に綺麗なおっぱいを見せたくなってたまりません。思わず胸を肌蹴てしまいます』 京太郎「ゴクリッ」 久「そ、そんなにジッと見つめないでよ」ポッ 京太郎「す、すいません」 京太郎(うわ……部長ってば肌が白くて、そしてとってもきめ細かくて……スゲー綺麗だ) 京太郎(それに、ブラジャー越しだけど、とっても綺麗な形をしてるのが判る) 京太郎(ハッキリ言って、今すぐブラを剥ぎ取って吸い付きたい!……けど、ここは……) 京太郎「……」 京太郎「あの、部長?」 久「な、なにかしら?」 京太郎「本当に見ないでいいんですか?」 久「……」 京太郎「俺に見て欲しいから、Yシャツの前を開けたんですよね?」 久「そ、それは……うううっ」/// 京太郎「俺に見て欲しかったら、自分からブラを取って下さい」 久「……そ、そんな事……」 京太郎(これは賭けだ……この程度が無理な催眠術じゃ"最後"までなんて出来るはずが無い!) 京太郎(だからコレで、何処までいけるのかを見極める!)キチク! 久「あ、あの……電気をけ」 京太郎「駄目です」ピシャリ 久「……」 京太郎(迷ってる……ちょっとキツクし過ぎたか?) 久「……///」シュルル 京太郎(わ、Yシャツを脱いだ……クララが!クララが脱いだぞ!) 京太郎(うわあああ!腰細ええええ!そしてやっぱり肌が綺麗過ぎる!) 京太郎(肌の白さは七難隠すって言うけど、美人でプロポーション良い上に肌綺麗とか隠すどころか、掛け算ですよ!) 京太郎(美人度が七倍以上になってるじゃないですか!!!) プチッ。 久「……///」カアアアアアッ! ファサァ。テブラァ 京太郎「部長……手をどかしてもらえますか?」 久「…………はい」 京太郎「ゴキュッ」 京太郎(うおおおおおおおお!BI☆NYUU!美☆乳!) 京太郎(俺は今まで大きい事は正義だと思っていたけど、価値観が完全に壊されちまった!) 京太郎(真っ白い肌と同じ様に、白くお椀型の綺麗なお餅!そしてその頂点にささやかに君臨するピンク色のさくらんぼ!) 京太郎(しかも、その持ち主は今、手を後ろに組んで、真っ赤な顔を横にそらして、恥ずかしさに耐えているんだぞ?) 京太郎(その上更に、顔を逸らしながらも、時折こっちをチラリチラリと見て、こっちの反応を気にしてる!) 京太郎(これが最高と言わずに何を最高と言えと言うんだ!こらああああああああひゃはああああああ!!!) この後滅茶苦茶セックスした
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TV『――――――ちょっと眠ってろお前』 TV『グァァッ!!』 京太郎「背景に溶け込んでかなり立ったが潮時だ」 京太郎「このままこの立ち位置に居るだけじゃ世界から消されちまうな」 京太郎「て言うか、誰だよ朝っぱらからこんな物騒なチャンネルつけてる奴」ピッ 京太郎「さーて、切り替えてくぞ」 京太郎「どうか神様!今日も一日いいことありますよーに!」 京太郎「とりあえず当面の目標は………今度ある男子個人戦!」 京太郎「そこで活躍して和に認めてもらう!これだ!」 京太郎「と、いうことで弟子にしてください!!」 聡「帰れ」 京太郎「そんなこと言わず、どうかお願いしますよお代官様ー!」 聡「だーっ!ひっつくな鬱陶しい!……ったく、いきなり変な奴が来たと思ったら」 聡「大体お前はどこのどいつだ?突拍子もねーこと言う前にまず名乗るのが礼儀ってモンだろ」 京太郎「俺は清澄高校の須賀京太郎って言います!」 聡「清澄だぁ?あんま聞いたことねー高校だな」 京太郎「まぁ、麻雀部は今年から本格的に活動し始めたばっかりですからね」 聡「ほう?お前さん麻雀部か?」 京太郎「はい!」 京太郎(って言ってもやることは雑用ばっかだけどな!) 聡「なるほどな……んじゃ、こうするか」 京太郎「ん?」 聡「お前、俺の孫娘と一局打ってみろ」 聡「それで勝てたら特例中の特例で弟子にしてやらんこともねぇ」 京太郎「孫娘さん?麻雀打てるんですか?」 聡「ああ。数絵は強いぞ?」 聡「多分ひょっとしたら長野じゃ敵はいねーんじゃねーか?」 京太郎「………」ゴクッ 聡「それでもやるか?」 京太郎「……」 京太郎「お願いします!」 数絵「……」トン 京太郎「えーと……じゃあこれ」トン 数絵「………」 数絵(打ち筋も捨て牌も素人同然……なんでお爺様はこんな人と打たせるの?) 数絵(これじゃあ南場に行く前に片がつきそう……) 京太郎「カン」 数絵(出た。素人特有の意味の無い槓……) 京太郎「……おっ?ラッキー!もういっちょ、カン!」 数絵(加カン!?) 京太郎「きたきたきたーーー!カン!!」 聡(三槓子……!?いや、これは……) 京太郎「うおおおおお!カン!!!カンカンカーン!!」 数絵(う、うそ………まさか) 京太郎「ツモ!!四槓子、四暗刻!……んでドラは………10?」 聡「俺はプロやって長いが、四槓子四暗刻のドラ爆なんぞ初めてみたわ……」 京太郎「はは……ちょっと知り合いが槓好きな奴なんで、真似したらなんかできました」 聡「正直言ってなぁ、お前俺の弟子にならなくても十分強いと思うぞ」 京太郎「あんなの偶然、たまたまですよ!」 聡「偶然にしちゃあ出来過ぎだ………お前なら小鍛治のガキにも勝てるかもな」ハハ 京太郎「小鍛治?……ってそれより、弟子入りの件はどうなったんですか?!」 聡「ん?ああ……」 聡「辛くて後悔しても遅いからな?」 京太郎「覚悟はできています……!」 聡「……よし、その言葉を忘れるなよ?」 京太郎「はい!」 京太郎(そしてその日から俺の想像を絶する特訓が始まった……) 京太郎(10万局打ち終わるまで寝れなかったり牌と心を通わせたり……) 京太郎(それはもう辛い特訓だった) ――――――― ―――――― ――――― 聡「二人とも、この日までよく俺の特訓に耐え忍んだ」 聡「お前たちは俺の誇りだ」 数絵「ありがとうございます、お爺様」 聡「数絵、全国への切符を絶対に掴んで来い」 数絵「はい」 聡「京太郎、お前にいう事は何もねぇ」 聡「いつも通りに楽しんで来い」 京太郎「うっす!」 数絵「京太郎」 京太郎「ん?」 数絵「1回戦敗けとか無様な真似をさらしたら……許さないから」 京太郎「おいおい、誰に言ってんだ?」 京太郎「お前こそ自分の心配しろよ数絵」 数絵「ふふっ……そうね」 アナウンサー『清澄須賀、最後は海底で三人同時に飛ばし決着』 アナウンサー『+450で堂々の長野一位通過です』 京太郎「楽勝楽勝ー!!」 京太郎「これで俺も堂々と清澄の一員として全国に行けますね部長!」 久「………」 優希「………」 咲「………」 まこ「お、おおう……」 和「凄いじゃないですか須賀くん!見直しました!」 京太郎「だろー?」ニヘヘ 優希(おかしいじぇ…あんなに犬が強いわけない) 久(あれホントに須賀くんなの……?別人がすり替わってるんじゃない?) 咲(ど、どうなんでしょう?) 京太郎「あ!そういえば女子の方ってどうなったんですか?!」 久「ん?ああ、それならほら」ピラッ 京太郎「ええと……1位が風越の福路さんで、2位が和………3位が………」 久「安心しなさい。和も咲も全国出場決めたから」 京太郎「……!」 和「どうかしました須賀くん?」 京太郎「あ、いや……何も」 まこ「しっかしウチから3人も全国個人戦に出るモンがいるとはのう」 まこ「しょーがないけぇ、今日はウチで奢っちゃるわ」 ウオオオ ヤッタジェー! ワオ!マコ フトッパラ! 京太郎「………」 まこ「お前さんもくるじゃろ京太郎?」 京太郎「そうですね、いきましょう!!」 久「よーし、それじゃあまこの家にしゅっぱーつ!」 優希「おー!!」 咲「お、おー!」 まこ「小学生か」 京太郎「たらふく食うぞー!」 数絵「ごめんなさい……お爺様の顔に泥を塗ってしまって」 聡「そう気にするこたぁねぇよ。アレはちょっと相手が悪かった」 聡「まだ来年がある、今年で終わりじゃねぇ」 数絵「ですが……」 聡「それによ、まだアイツが残ってんじゃねぇか」 数絵「……」 聡「まだアイツは死んじゃいねぇ、むしろこれからだ」 聡「お前と同じ釜の飯を食った仲間が全国へ行ったんだからよ。もっと胸を張れ」 数絵「……はい!」 ―――――――― ――――― 咲「じゃあ、私たちの会場こっちだから」 和「須賀くんも頑張ってくださいね」 京太郎「おう!また後でな」 和「あっ、ちなみに言い忘れてましたが……」 京太郎「?」 和「男子の優勝者と女子の優勝者はトッププロを二人交えてのエキシビジョンがあるそうですよ」 京太郎「へぇー」 和「その舞台で会えるように、頑張りましょうね」ニコッ 京太郎(女子の優勝者と打てるのか……) 京太郎(男子より女子のがレベル高いって言われてるしなぁ……打ってみたい) 京太郎(っと、まずは目の前の試合に集中集中) 男子R「あンた背中が煤けてるぜ」 男子K「置物の方が、マシだったな」 男子A「きたぜ。ぬるりと………」 京太郎(おい誰だ女子の方がレベル高いとか言ったのは) 京太郎(なんなんだこの卓は……化け物ばっかじゃねぇかよ)カタカタ ――――――――――― 京太郎「はぁ……準優勝かよ」 京太郎「優勝したかったのにな………くっそ」 京太郎(師匠にはなんて言おうかな……全国行く前"優勝なんて楽勝ですよ"とか言った手前負けましたなんて言えねーし) 京太郎「どうしたものか……」ンー ?「……」トントン 京太郎「ん?」 数絵「お疲れ様」 京太郎「かっ……数絵!?どうして東京にいんだよ?」 数絵「どうしてって、京太郎の応援に決まってるでしょ。お爺様も来てる」 京太郎「げっ……じゃあ師匠に全部見られてたってことか……」 数絵「そんな顔しなくても心配いらない」 数絵「お爺様も褒めてたよ。"よくやった"って」 京太郎「そうか?でも優勝できなかったし」 数絵「私なんて県予選敗退だ。それに比べたら全然すごい」 京太郎「でもなぁー……あそこでイーピン切って無かったら優勝できたのかも」ウジウジ 数絵「……来年」 京太郎「へ?」 数絵「来年は一緒に全国に行こう」 数絵「そして二人とも優勝して、エキシビジョンで打つ!」 京太郎「……」 数絵「違う?」 京太郎「……ああ」 京太郎「来年は二人で来よう。そんで南浦プロの弟子二人そろって優勝だ!!」 数絵「うん!」 ―――――――― ――――――― 恒子『今年もこのエキシビジョンの時間がやってきたーーー!!』 恒子『男子の1位と女子の1位!そして指名された南浦プロと我らがすこやんの頂上対決が、今!はじまるっっ!!』 咏『男子は去年よりレベル高そうだねー、女子は知らんけど』 聡「ったく、ようやくここまで来たかよ」 聡「和が弟子ながら遅かったじゃねーか」 数絵「すいませんお爺様。勝手ながらご指名させていただきました」 京太郎「うっす!」 聡「おーおー、いつの間に手なんか繋ぐ間柄になったのやら……」 健夜「若い子はいいですね……私、もうホントに三十に突入しそうなのに彼氏のかの字すら……」 京太郎「小鍛治プロ、本日はよろしくお願いします!」 健夜「あ、うん!よろしくね!」 数絵「お手柔らかにお願いします」ペコリ 健夜「あはは……多分手加減はできないと思うけどね」ボソッ 聡「言っとくけど家で打ったみてーに手加減しねーぞ?本気で打ってこい」 京太郎 数絵「はい!」 聡「ツモ」 京太郎 数絵「!?」 聡「6000オールだ」 恒子『試合終了ーーーーー!!最後は南浦プロの親っ跳で弟子二人を一蹴!』 恒子『そしてどうしたすこやん!アラフォーグランドマスターも年には勝てないのか!?』 健夜「アラサーだよ!?それにスポーツと違って年齢はあんまり関係ないからね!?」 聡「流石は俺の愛弟子………と褒めてやりたいところだが、お前たちもまだまだだな」 数絵「さ、流石はお爺様……完敗です」 京太郎「参りました。あそこで槍槓なんて予想できませんよ」 聡「いやはや残念だったなぁ京太郎。お前が俺を超えれば数絵を任せられると思ったんだが」 数絵「なっ……!」 京太郎「へ?」 聡「まだまだだな。あと5年は早い」 数絵「お、お爺様!」カァァ 聡「はっはっ、そう照れるな照れるな」 聡「それにしてもホントに成長したな二人とも。今から曾孫が楽しみってモンだ」 京太郎「……」 数絵「……」 聡「まーさかとは思うが京太郎、まだ数絵には手を出してないよな?」 京太郎「………」ダラダラ 聡「………」 健夜「曾孫……ね。私は自分の子供の顔さえ見れるか分かんないけど」 カン
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第十章【いつだって最後尾 不思議なディスタンス!】 アフター 久「はぁー、疲れるわねぇー」コキコキ 優希「全国大会での勝利の為だじぇ!」 和「はい。頑張りましょう」 ガチャッ 京太郎「買い出し行ってきましたー」 久「お疲れ様須賀君」 咲「お疲れ様、ありがとう」 優希「わーい! タコスを早く寄越せー!」 京太郎「おう、ちょっと待っ……」 まこ「京太郎」 京太郎「はい?」 まこ「頼んでおったケーキ、あるかのぅ?」 京太郎「勿論ですよ。はい、どうぞ」 まこ「おぉ、すまんのぅ」ナデナデ 京太郎「いえ、お安いご用です」ニッ 優希「ちょ、ちょっと待てー!!」 和「ど、どういうことですか!?」 咲「……」 まこ「なんじゃ?」 久「まこったら、いつの間に須賀君にベタベタするようになったのよ?」 まこ「んー……いつからじゃったか」ナデナデ 京太郎「染谷先輩、むず痒いです」 まこ「おぉ、すまんすまん」 優希「う、うぅ……!!」 和「(ニーナァ……)」ギリッ 咲「……」ブルブル まこ「そうじゃ京太郎。こんどわしとデートでもせんか?」 京太郎「ええっ?! い、いいんですか?」 まこ「ああ、わしはもう――」 ,.._-‐ . . .‐-_、 / '"´ ;、ヽ / \ヽ //. . / 、 ヽYハ `ヽ、 ,.‐'". i'"´`゙'"´`i . . Li_ |.. . . _ ノー- -!、 `;. ,f ,. i/_, =、、 ,二、ヽ ノ . / {jハ ハj/_) i゙ i__i イ、 iヽリ;i . i、) /イ. { |、ゝ-゙' ノ ̄i . シ '/ュ!ノ 〈 // { 、_!` ̄´_'__`ー―'iノ i、ヽ !' 、 | \ 、_ _ノ ノ i } ヽi ヽi、从ヽ`;i 、_ ,ィ ノj ; ルレ′リ _,.ツ! ´ |、_'"V'"´ _r、  ̄ i{__ _〉 ` .ー..、_ ハヾ、、 ├――/ /ク / !i i -、=、 、 / ;; = "ィ´ハ / !i ヽ「 ̄`ヽr;X ;r‐ '" ̄ヽイ / \ / ゙| | -→! }=ー- /. / \ \ | { ; -‐厂| ー-、 } |′ / まこ「最後尾じゃ、満足できんけぇのぅ」クスクス この行列ッッ!! 物売るってッッッ!! レベルじゃねぇぞッッッッ!!!